パワー学派(Power school)
ヘンリー・ミンツバーグが類別した10の学派の1つ。記述的(descriptive)な学派であり、戦略形成は権力(パワー)に根差したプロセスだと考える。
この学派では、大小様々な権力争い、つまり政治的動きこそが戦略形成に大きな影響を与えると考える(たとえば交渉や説得、対立、懐柔、強制など)。これらは社内だけではなく、時にはパートナーを巻き込み社外に及ぶこともある。
この学派の考え方のみで戦略形成を議論するのは難しいが、一面の真実はあり、実際に政治の世界などではこうした権力争いが政策立案に強く影響しているのは否定できない。また、外部パートナーとの協力関係の在り方なども、パワーバランスで説明できる場合がある。
弱点としては、真に有効な戦略が生まれず、戦術レベルの議論にとどまる危険性や、権力闘争によるエネルギーの消耗などが挙げられている。