リーダー(Leader)
リーダーとは、市場において最も大きなシェアを持つ企業を指す。
シェア・ナンバーワンのリーダー企業は通常、最も強力な流通チャネルを持ち、製品・製造プロセス開発の先頭に立っている。リーダーになることのメリットとしては以下が挙げられる。
・高い市場シェアが獲得できれば、その分規模の経済や経験効果が働いて収益性が向上する。これは特に、製造コストが絶対的な競争優位の源泉となる自動車などの業界において重要である。
・顧客は1事業分野(カテゴリー)では、1企業(あるいはブランド)しか認識しない場合が多く、「業界=リーダー企業」のイメージを持ちやすい。小売店などで棚スペースが限られているときは、トップ・ブランドのみが置かれることが多い。
・リーダー企業であれば、関連製品を扱う業者あるいは流通チャネルの側から声をかけてくる。その結果、強大なコネクションが形成され、ますますその地位が固まっていく。たとえば、初期にナンバーワンの地位を築いたマイクロソフトのMS−DOS(パソコンのOS)の場合、その上で動くソフトや、それを標準装備としたパソコンが多数作られるようになり、同社の地位はさらに強大になっていった。
リーダー企業は当然のことながら、ナンバーワンの地位を維持することを目的とした戦略を策定する。そのために、市場規模の拡大、あるいはシェアの拡大、維持を目指す。
また、隣接業界からの参入を防ぐことにも注力する。参入障壁を高め、競合他社が攻め込みにくくするのだ。具体的には、以下のような手法がある。
・特許を取得する、あるいは有力なライセンス提供者を確保する
・自社製品ラインの隙間を埋める
・独占契約を結んだり、サポートを手厚くすることで、販売チャネルを確保する
・広告費や販売促進費に投資し、ブランド力を高める
・ヘビーユーザーに対する特典を設けるなどして、良質なユーザーを囲い込む
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。