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MBA経営辞書「短期インセンティブ」

投稿日:2009/03/09更新日:2019/04/09

短期インセンティブ(short-termincentives)

従業員に対する金銭的な報奨は、主に基本給とインセンティブから成り立つ。インセンティブには短期的なものと長期的なものがあり、短期インセンティブは主に現金で付与される。短期インセンティブは、動機付けという主目的に加え、報酬の一部を変動化することにより、基本給の昇給による固定費のむやみな増大を避けることも意図している。

短期インセンティブはその評価対象によって、個人の成果を対象にするもの、チーム(グループ)の成果を対象にするもの、組織全体の成果を対象にするもの、グローバルな企業グループ全体の成果を対象にするもの、これらを組み合わせたものなどがある。

日本企業における伝統的な「ボーナス」は、本来の意味でのインセンティブとは性格を異にする。たしかに、ボーナスは企業業績を反映させて人件費総額を調節するという機能を持っており、また多くの会社では成績査定部分として個人の考課結果を反映させる部分も持っている。しかし日本企業のボーナスは、支払額が何によって決定されるかが明示的に示されていないことが多い。このため従業員側は、ボーナスはあくまで生活補償的な固定給の一部であると考え、会社全体の業績により水準が上下したとしても、それは外的な環境要因による「運・不運」であって自分たちの成果に基づくものではない、と認識しがちである。

日本に特有なこのボーナス制度は、社会保険コスト上の有利さなど、制度の実際上の利点によっても支えられていた。しかし、昨今の制度変更や企業経営のグローバル化に伴い、わが国でもボーナスをもっと明確に会社や個人の業績と連動させようという動きが進んでいる。

次回は「長期インセンティブ」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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