オプション(option)
ある資産(株式や債券など)を将来の定められた時点(行使期限)に、一定の価格(行使価格)で売ったり買ったりできる権利のこと。
たとえば、1年後にある株式を100円で購入できるオプションを持っている人は、1年後の時点でオプションを行使する(株式を100円で買う)ことも、放棄する(株式を買わない)ことも可能である。
オプションは資産価格に対する保険のようなもので、オプションの保有者(買い手)はオプションが行使できればリスクなしで必ず利益を上げられる。当然ながら、オプションの相手側(売り手)は何らかの対価(保険料のようなもの)なしには取引に応じるはずがない。そのため、契約成立時には、「プレミアム」と呼ばれる対価を売り手に支払う。
オプションには、大きく分けてコール・オプションとプット・オプションの2種類がある。さらにオプションには、その権利を行使できるタイミングをあらかじめ定めた期限1回のみのヨーロピアン型と、期限以前であればいつでも行使できるアメリカン型の2タイプがある。
なお、価格をX軸、損益採算をY軸に取り、資産の価格変動により変化する損益採算を示したグラフをペイオフ・ダイアグラムと言う。オプションなど、様々なデリバティブ取引の採算を判りやすく説明する際に用いられる。
次回は「プット・オプション、コール・オプション」を取り上げます。
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