安倍首相が9月11日に開催された経済財政諮問会議で「携帯料金等の家計負担の軽減は大きな課題である。その方策等についてしっかり検討を進めてもらいたい」と発言し、事実上、携帯電話料金の引き下げを求めていた。これを経営学的に眺めてみよう。
まずは、携帯電話業界の問題を、業界の収益構造や競争のカギを発見するフレームワーク「5つの力分析(5F)」で考えてみよう。もちろん、業界は「日本国内携帯電話サービス業界」とする。
結論から言うと、力が「強い」のは「売り手の携帯電話機メーカー」だけで、それ以外の力は総じて「弱い」。例えば、「買い手」の代理店は直販が主流だし、消費者も交渉できると思っていない。「新規参入者」だが、設備投資が必要でかつ、免許制のため参入障壁は高いので「弱い」。代替品は、インターネットを使った電話と言われているが、多くのユーザーはスマホ経由で使うことになり、結局携帯電話会社を使うことになるので、この力も「弱い」。業界内の競争は、一見厳しそうだが、実はいつのまにか3社独占状態となり、実質競争する必要が無いので、これも「弱い」。
さて、こういう状況では、業界としては値下げする必要がなくなる。よって、その状況を変えるには、上記の5つの力以外が必要になるわけだ。要するに、今回の安部首相のコメントは「政治の力」、マクロ環境を分析するフレームワーク「PEST(Politice, Economics, Society, Technology)」でいうところの「P」の要素を働かそうとしているわけだ。
こう見てみると、5Fのフレームワークでうまく解釈できない場合は、より大きなマクロ的な視点を活用すると良いことがわかる。フレームワークは個別に使うだけではなく、柔軟に組み合わせる視点、力が必要なのだ。
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