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ジョン・ナッシュが遺した「ゲーム理論」を知っていますか?

投稿日:2015/05/27更新日:2019/07/22

 

2015年5月23日、映画「ビューティフル・マインド」の主人公で、ノーベル経済学賞受賞者のジョン・ナッシュ氏が事故で亡くなった。ゲーム理論研究でも有名な天才数学者だった。

ゲーム理論とは、複数の当事者(プレーヤー)が存在し、それぞれの行動が影響し合う状況(ゲーム)において、各人の利益(効用)に基づいて相手の行動を予測し意思決定を行う考え方、およびそれを扱う学問領域である。「ノイマン型コンピュータ」でも知られるジョン・フォン・ノイマンらによって創始された。経済学の一分野としても扱われる。

ビジネスに近い領域では、交渉やオークション、価格設定、シグナリング、代理人のインセンティブ設計と監視、デファクト・スタンダードの見極め、「最善ではない安定的状態」からの脱却など、幅広い領域でゲーム理論が活用されている。

ゲーム理論にはさまざまなカテゴリがあるが、ゲームの構造によって
「非協力ゲームと協力ゲーム」
「情報対象ゲームと情報非対称ゲーム」
「同時進行ゲームと交互進行ゲーム」
「短期間ゲームと複数期間ゲーム」
などに分けて解説されることが多い。ビジネスパーソンであれば、特に最初の2つの区分は重要だ。

ちなみにジョン・ナッシュは、ナッシュ均衡やナッシュ交渉解等の研究でゲーム理論の発展に多大な貢献を果たした。特にナッシュ均衡はゲーム理論の基礎中の基礎であり、現実にもよく現れる。デファクト・スタンダードや「より良い状態があるにもかかわらず、皆が現状に甘んじている」状態もナッシュ均衡の一種だ。それを認識しているのといないのとでは、採り得る戦略が大きく変わってくる。

ゲーム理論では“定石”であることでも、ビジネスパーソンはそれを知らないことが多い。囚人のジレンマも日常でよく陥る構造だが、その解決策を知っているビジネスパーソンはそれほど多くないのでは? 「知らなかったために損をした!」ということに陥らないように、ぜひ押さえておいていただきたい。

<参考記事>
マーケティングの泉「裏切りか、協調か?ゲーム理論で考える呉越同舟マーケティング(2)」

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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