(このコラムは、ツイッターの呟きを加筆修正して執筆したものです)
9月12日の朝、クアラルンプールに到着。今からフォーブスCEOコンファレンスのギャラ・ディナーに参加する。僕が知っている限りフォーブスのコンファレンスほど多くのビリオネアが集う会合は無い。以前聞いたらビリオネアが10 人で、500億円超の資産を持つ人が20名。30名近くが、超が付く大富豪だ。このコンファレンスで、僕は最初のキーノート・パネルに登壇する。
ちなみに、KLのシャングリラホテルは、住商時代に初めて海外出張に行った時に泊まったホテルだ。懐かしい。眼の前の競馬場が消えさり、今や高層ビルが林立している。お陰で空港からホテルへの道程で渋滞がひどく、かなり遅れての到着だった。
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米国フォーブス誌のCEOコンファレンスのディナー。マレーシアで5本指に入るお金持ちの隣に座る。僕が座席に着くなり、彼から挨拶をしてきた。昨日のWSJ紙の広告をみたり、過去にスピーチを聞いたりしていたようで、僕の名前を知っていたのにはビックリした。彼は、航空会社やホテルのチェーンを持つ起業家だ。
やはり、僕が書いたEmail From Japanの反響は絶大だ。震災直後から苦労して12通も書いたので、多くの方に強烈な印象を与えているようで、率直に嬉しい。明日の朝一番に僕が登壇するパネルでコンファレンスが開始する。僕は、日本人として唯一のスピーカーだ。日本代表として頑張りたい。
世界のコンファレンスに数多く参加していると、その蓄積からか、世界に友達が増える。タイ、シンガポール、ドバイ、ドイツ、台湾、ベトナム、マレーシア、インドネシア、インド、米国の古くからの友人と挨拶をして、彼らから新しい友達の紹介を受ける。それこそ「雪だるま式」に友達が増えるのだ。
僕は、このフォーブスの会合は4回目だ。2006、2007とシンガポール、2010にシドニーと登壇してきた。フォーブス誌の表紙を飾る取材がきっかけで、招待を受けることになった。最初は端役だったが、今や冒頭のキーノートでの登壇だ。所謂主役だ。「僕のスピーチを聞くために来た」、と言う人もいる位になった。
今、冒頭のキーノート・パネルの登壇が終わった。登壇者は、インドからタタ・コンサルタンシー・サービビシズ(TCS)の会長、中国の起業家(ビリオネア)、学界からはCEIBSの学長、金融界からは米国のコモディティ王という構成だ。会場は、満杯だった。非常にうまく行ったと思う。良かった。
今二つ目のパネルを聞いている最中。僕は、今度は会場にいて、観客として、楽しんでいる。たまたま座った席の横に、主宰者のスティーブ・フォーブス氏がいる。挨拶をして、彼の横で今このツイートを書いている。
フォーブスのコンファレンスの参加者は、起業家的マインドを持った人ばかりなので、皆ポジティブだ。世界経済にこれだけ不透明感が漂うのに、良い点を見出そうとしている。良い面を見れば必ず道が開ける。悪い面ばかり見ていると尻ごみする。円高は外に行く絶好の機会を与えてくれた。試練を楽しもう。
マレーシアの経営者2人と昼食する。僕が送ったEmail from Japanを読み、「是非会いたい」とアポが入ったからだ。一通り会話をした後に、彼から「貴方のエネルギーを感じるためにアポを入れた」と説明があった。別れた後に「で、僕のエネルギーどうだった?」と聞くのを忘れたことを、ちょっと悔やんだ。
15時からメディア・インタビューの時間。先ずは、マレーシアのTV3のテレビインタビュー。そして、ロイターの取材。終わったかと思ったら国営テレビ局の取材が急きょ入った。3連ちゃんだ。キャスターと対峙しての英語のインタビューも慣れて来た。今朝のパネルが評判良かったらしく嬉しくなる。
その後、会場に戻り来場者とネットワーキング。4月に登壇したミルケン・インスティテュートのトップと立ち話した。「良かったよ」と言ってくれ、来年もミルケンの会合に参加することを約束した。もっとメインのステージで登壇するように少し交渉してみることにした。
ちょっと時間が空いたので、ホテルの屋外プールで一泳ぎ。ビルの合間からKLCCのツインタワーが見え、振り返るとKLタワーが聳えたっていた。スコールが降り注ぎ、水面を水玉が跳ね上がっていた。タオルを腰に巻き帽子を被りエレベーターに乗ったら、眼の前の人から一言「良いセッションだったよ」、と。
今、パッキング中。今からKLを離れて、大連に向かう。本日から大連でサマーダボスが開催されており、そちらに合流する予定だ。大連でのスケジュールも、登壇やメディア対応でビッチリだ。「もしかしたら僕は海外での方が、日本でより評価が高いのかもしれない」、とふと思えてきた。
考えれば考えるほど海外での方が評価が高いことを確信し始めた。ベンチャーキャピタルで集めたお金も、海外からの方が日本からよりも5、6倍多い。フォーブスの表紙は飾ったけど、日経ビジネスの表紙は無い。Wall Street Journalで特集されたが、日経新聞では無い等々。
日本では、会社名と肩書きで判断され、海外では、実績と中身で判断される。日本では、大企業や名門大学のお偉方や教授が評価され、海外では、ゼロから創った起業家が評価される。そして最後は、人物を見て決める。僕は、この考え方の方が性に合う。
今からKL発、成田経由で大連に向かう。初めての成田トランジット。どんな感じなんだろう。ラウンジで何気なく手にした本日のファイナンシャル・タイムズとウォール・ストリート・ジャーナルに、グロービスの広告が掲載されていた。
成田に到着。最新鋭のボーイング777のビジネスクラスは、快適だ。離陸前から足を伸ばせて、寝るときはフルフラットになる。成田空港はいつも思うが、ちょっと殺風景だ。日本らしい工夫が欲しい。次の目的地大連に向けて、今成田空港ラウンジで待機中。振り出しに戻った気分だ。
大連空港に到着。サマーダボスにあわせて空港を拡張していた。機内でSBIの北尾さんに挨拶をした。入国審査にダボス専用レーンが設置されていた。今からホテルに向かう。
大連のホテルに到着。ツイッターをしようとパソコンでアクセスしたが、繋がらない。ここは、中国だと思い出す。やむなく携帯で呟くことにした。
大連のサマーダボスの会場に到着。会場にいるだけで、数多くの人達に会える。昔から関与していた様々なコミュニティとの繋がりの重みを感じる。EO(世界の起業家の会)、YPO(世界の経営者の会)、HBS(ハーバード)、New Asian Leaders(ダボス主催のアジアの集い),WEF(世界経済フォーラム)等だ。
今「東北から世界へ」のセッションに参加している。東日本大震災のレッスンをどうやってシェアするかを議論した。その後に津波の被災を受けた高校生が登壇し話を聞く。仙台、石巻の女子高生の話に涙する。
「世界に伝えたいのは日本の団結力だ」と男子高校生。「こんなにつらい思いをすることはたぶん一生ないと思う。でも生きているので、受けた恩返しをしたい」、家族6人を失った女子高生より。僕らは、生きている限り、地震・津波で亡くなった15000人の分まで生を全うすべきであろう。
ダボス会議の場で、涙を流す体験をするのは初めてだ。企画をしてくれた方に感謝。体験を語り続けることの重要性を認識した。会場が感動に包まれた時に仙台の高校生による和太鼓の演奏だ。力強さの中にもの悲しい響きがある。そして獅子舞の登場。
今ジャパン・ナイトの会場。盛況だ。目の前のステージで美しい着物を羽織ったモダンな舞いのご披露だ。日本のソフトパワーは、健在だ。今回は、官邸が主催だ。加治さん・四方さん、グッドジョブ!
ジャパン・ナイトの後に、天津・ナイト、PWC(プライスウォーターハウスクーパース)・ナイト、Huawei・ナイト(中国系の通信関係会社)、ゲンパクト・ナイト(インド系のシステム会社)と梯子して、今部屋に戻った。疲れて足がパンパンだ。
朝6時半に起床。体がダルい。まだ疲れが取れない様だ。朝7時15分に部屋を出ようとして、時差一時間に気がつく。また寝直して一時間後にバスの中にいる。僕の隣は、昨晩の女子高生3人だ。たまたま一緒になった。今日もいい一日になりそうだ。
朝8時から日本のセッションに参加している。日本語による招待制のセッションだ。夏野さん、御立さん、近藤文化庁長官等のG1参加者が過半数を占める。テーマが、「日本ブランド」、だ。
日本セッションの後に、マッキンゼーの前日本支社長と立ち話して、CNBCの生インタビューに応じる。5分間喋り続けた。その後、デジタル版の取材を受ける。新しい日本のことを説明したら、強い関心を示していた。大企業の視点と違うのが新鮮なようだ。
世界のPR会社のトップ、そしてCNBCのアジアのトップと、一対一の会合をランチを挟み実施し、ランチタイムに日本の大企業の社長と会話をする。そしてCNBCの生番組に観衆として参加した。これが実に面白かった。
「ワールド・カフェ」というネットワーキング・スペースで、メール返信しながら行き交う人と談笑。被災地から来た高校生・大学生向けの即席講演会も実施した。11月のG1グローバルに向けて、VIPに来日を説得した。世界から英知を結集させたい。帰りのバスで参加者と意見交換しホテルへ。
夕食後昨晩と同様何軒か梯子して部屋に戻る。最後までいるメンバーは、結局昨晩と一緒でグローバルだ。世界中に友達ができた感じだ。さあて今からメール返信して、寝る用意をしよう。
サマーダボス3日目。ホテルをチェックアウトして、会場に向かうバスの中。本日も朝からびっしりスケジュールが入っている。最初が日本に関する朝食会。次が日中韓に関する討議。途中で抜け出して僕が登壇する起業に関するセッションに出る予定。ランチ後に、ブレーンストーミングセッションに参加予定。
僕の登壇が終わり、昼過ぎにプライベート・セッションに参加し、大連空港に向かった。日本への直行便の最終は、午後一なのでソウル経由の大韓航空で帰ることにした。距離的に損をしないし、一時間のトランジットなのでスムーズに行けると思っていた。
だが、大連出発が一時間遅れた。心配になったので、大韓航空のキャビン・アテンダントに確認したら、「ソウルで待っていてくれる」とのこと。安心してぐっすり眠り、インチョンに着いた。飛行機を出たら、地上係員が待っていて駆け足で、向かった。出発時刻を5分まわっていたが、安心して向かったが、既に羽田行きのフライトは出ていた。
約束が違う。そこから一時間交渉し、結局深夜2時過ぎのアシアナで帰ることになった。最初は、大韓航空に非が無いからアシアナのチケットを払えと言われ、結局粘って、追加コストは無くしたが、ビジネスからエコノミーに格下げで空港に五時間待ちぼうけだ...
しかも、乗り換えの為に一旦出国しろと言う。インチョンは、ハブを目指しているんじゃなかったっけ? 何で同じターミナルなのに出国するの? その間、大韓航空の地上係員からは謝罪の言葉が一つも無い。結局今韓国に入国し、チェックインカウンターが開くのを固いベンチに座り待っている。(夜中の一時)
ま、そもそも大韓航空を選び、インチヨン経由にしたのが、間違いだったのかもしれない。このままちゃんと無事に帰れるだろうか?
今アシアナ航空に無事搭乗。この時間だけあって、乗客は、若い人ばかりだ。恐らく週末を日本で過ごそうという考えであろう。やっと帰れる。
ふ~、無事に羽田に到着した。結局シンガポール、マレーシア、中国、韓国と今回の出張で入国したことになる。帰ってゆっくりと休むとするか。東京は雲空だ。東の空がかすかに明るくなり始めた。
早朝ソウルから帰国後、つかの間の仮眠をとり、四男五男を囲碁レッスンに送り出し、次男三男を連れて中学の文化祭を視察。4、5を囲碁に迎えに行き、2、3を自宅に届け、今4、5と遅めの昼食中。 そして今から4、5とプールに行く予定。ちょっと眠い。
追伸)サマーダボス@大連で受けたテレビ取材です。生放送でCNBCで放映されました。僕にしては、英語できちっと対応出来た方かなと思っています。冒頭にCMが10秒ほど出てきますInvestors Too Focused on 'Old Japan' http://t.co/1Wmi5Blq
サマーダボスでは、テレビ取材とは別にウェブ取材も受けました。双方につき御意見などあれば大歓迎です。Investors Focused on ‘Old Japan’, Missing Out on ‘New Japan’ - CNBC http://t.co/ULg3g01k