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サマーダボス天津2012年

投稿日:2012/09/19更新日:2024/11/27

今年で6回目となるサマーダボス天津2012。僕は、そのうち5回も参加している。サマーダボスは、大連、天津と交互に開催され、今回は天津の番だ。東京―天津間には、直行便が無いため、次の3つの方法のどれかを選ぶ必要があった。1)新幹線で名古屋まで行き、名古屋―天津に搭乗。2)東京―北京に乗り高速バスか中国版新幹線で天津に移動、3)ソウル経由で乗り継ぎ、天津に入る。

昨年ソウル仁川空港の乗り継ぎで酷い目にあったので3)は即座にオプションから外した。結局、前日に名古屋でグロービス経営大学院のクラスがあったので、行きは名古屋から天津に入り、帰りは北京で投資家に会うアポを入れたので北京から羽田に戻ることにした。

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今回のサマーダボスの目玉は、1)僕が「世界の成長企業」の共同議長就任。2)日本の民間として初のレセプションとなる「グロービス・ナイト」開催、3)僕がWEF初のモデレーターを実施。パネリストの一人が何とあの英国前首相のゴードン・ブラウン氏だ。

天津に到着。着陸前に機内から外を見たらモヤがかかっていた。よくよく考えたら、これはモヤでなく大気汚染だ。上海でも同様の”モヤ”があった。最近東京の空は、綺麗だと感じることが多いから、余計にその差を感じる。だが天津の街中に入ると、街並みは整然として綺麗だった。

到着後ホテルでひたすら仕事をして、夕方6時より、「世界の成長企業」の打ち合わせに参加した。今年から共同議長に就任するので、やるべきことの整理と期待役割の確認を行った。滞在しているホテルで開催されたレセプション・パーティーでは、約3時間立ちっ放しでぶっ続けでネットワーキングしたから、疲れ果ててしまった。夜部屋に戻り、足を休ませながら、携帯ローミング(iPad)でツイッターを楽しむ。翌日は、いよいよグロービス・ナイトだ

翌9月11日、英国ファイナンシャルタイムズ(FT)紙、米国WSJ紙双方にグロービスの広告を出した。新聞を後で見たが、まさにデカデカと掲載されていた。FTでは半分ぐらいの大きさで僕の顔写真が掲載されていた。昼前にシャトルバスに搭乗しサマーダボスの会場に向かった。

先ず向かったのが、CCTV(中国国営放送)の友達がモデレーターをしている「中国の製造業」のセッションだ。パネリストには、豪州前首相のケビン・ラッド氏や日産のカルロス・ゴーン氏らがいた。このセッションは、中国全土に放映され、数千万人の中国の視聴者が観ることになる。僕は、必ず友達キャスターに指されるので、自分の考えを用意しておいた。やはり途中で声がかかり、立ちあがって自分の考えを披露した。中国で、少しは有名になってきただろうか。

ジャパン・ナイトの招待状の発送が遅れてしまったからか、僕が大きな束を二つ抱え、会う人会う人に一生懸命に会場で配ることになった。ジャパン・ナイトとグロービス・ナイトの招待状を配っていたら、「今晩いくよ。ちょうど今、その話をしていたところだよ」と言う声をチラホラ聞いた。どうやら話題になっているようだ。しめしめ。

ラウンジにいると親しい友達にいっぱい会える。セッションに参加するよりも有意義に感じることがある。世界中にどんどん仲間が増えている感じだ。 今からマイクロバスでジャパン・ナイトの会場に向かい、お迎えする準備をすることにした。

本日のジャパン・ナイトには、スタジオ・ジブリ、AKB48も参加する。そして、その二次会がグロービス・ナイトという位置づけだ。場所は、日航ホテル。おもてなしは、寿司、日本酒、そして焼酎などだ。日本総動員、オールジャパンで盛り上げる予定だ。

ジャパン・ナイトが終わり、グロービス・ナイトが始まった。グロービス・ナイトでは、グロービスのスタッフ全員がグロービスカラーの青の帽子を被り、おもてなしをする。

目玉は、あのガラガラのくじだ。来客のVIPにくじをガラガラと回してもらい、赤玉が出ると「大当たり」と声を上げて「カランカラン」とけたたましく鐘を鳴らし、グロービス・グッズをプレゼントする。白玉が出るとグロービス・バッチの贈呈だ。これが、意外に受けたのだ。東京から来た大阪・名古屋の代表を務める村尾女史、グロービス中国総経理の趙麗華女史等のグロービスが誇る美女軍団が、青の帽子をちょこんとかぶり、くじを通して交流だ。

会場の中には、数多くのVIPが交流していた。そこを僕を含むグロービス・シンガポール代表の河尻氏やグロービス・コーポレート本部トップの鎌田氏が対応する。シンガポールの前外相であるジョージ・イェオ氏(この方を僕はとても尊敬する)やグロービスのファンドに10年以上も前から出資してくれたスイス人の大切な投資家も来てくれた。そして、夜12時近くになったので、お開きとなった。

ジャパン・ナイト、グロービス・ナイト双方とも大盛況だった。「日本代表」は、中国天津の地でも頑張っていた。途中、イラク戦に日本が勝利したと聞いて、思わずガッツポーズ。日本の強みは、チームワークだ。先ずは奮闘した官邸やグロービスの関係者に感謝だ。そして、来てくれた日本の参加者に感謝。そして来てくれた全ての人々に感謝だ。

翌9月12日、天津サマーダボス三日目は早朝から会議だ。朝一番のバスに乗り会場に向かう。昨晩遅かったので眠かったのだが、けたたましくホーンを鳴らす音が耳障りで眠れない。最初は、中国語の大音量のラジオがうるさかったが、止めてもらった。早く降りられるようにと運転手の近くに座ったの失敗だった。日本の静かさとは、真逆だ。耳栓を持ってくれば良かった。だが、お陰で会場に早く着いた。

WEFの「世界の成長企業(GGC)」の理事会がスタートした。参加者は、米国、英国、中国、豪州、クウェート、南ア等。この会議で僕は、WEFの「世界の成長企業」の共同議長に就任した。

ふと思ったのが、「以前から僕は世界の理事会にはよく参加してきたなー」、だ。34歳の時にYEO(現EO)の世界の理事会、37歳の時にApaxのボード、それから40歳の時にNew Asian Leaderのボード、そして、43歳でハーバード卒業生ボードで、46歳でダボス会議のGGCのボードだ。34歳の時に、世界の理事会を体感できたのが、良かった。お陰さまで発言のタイミング、貢献の仕方もかなり慣れてきていた。

理事会後に、20代の若者で構成されるグローバル・シェーパー達が発表するIdeasLabというセッションに参加した。20代の人たちの考え方に触れてみたかったからだ。やはり「社会を如何に良くするか」への関心がとても高いのを実感できる。目の前でモンゴルの若者が、一生懸命に英語で登壇しているのを見て、「我が子供たちにも英語でこれだけのプレゼンができる能力を身につけさせてあげたい」と思った。20代ともなると、僕からするとどうしても子供達と重なってしまうようだ。

ふとプログラムを見たら英国BBCテレビのニック・ゴーウィング氏が登壇するセッションがあった。彼は、昨年のG1グローバルにもわざわざ来てくれた恩人だ。また、前回訪英時に、ロンドンで一緒にディナーをした仲間だ。これは何が何でも行かなくてはと思い、馳せ参じることにした。ニックの登壇を楽しみ、セッション後に軽くお茶をした。ニックは、10月に日本に来てくれて、G1グローバルにも登壇してくれることが決まった。

ランチタイムにダボス会議を主宰するシュワブ氏と日本企業の参加者との会合がセットされていた。僕は、シュワブ氏にG1サミットのことを説明した。世銀・IMF総会の時にWEFとG1とが何らかのコラボレーションができたら幸いだ。その場でシュワブ氏がなぜ日本を好きかという理由を披露してくれた。僕は、シュワブ氏を尊敬する。素晴らしい方だと思う。シュワブ氏が親日家であることは、日本にとり大いなる財産だと思う。

午後の時間は、僕がモデレートするセッションの準備に充てた。国際会議では、パフォーマンスが良いと次のお誘いがある。だが、パフォーマンスが悪いともう二度とお誘いがかからない。厳しい世界だ。僕もここまで常連で登壇できるようになるのに、数年以上の積み重ねを要した。常に全力でぶつかり、聴衆がインスパイアする発言をし、学びや気付きを与えることが重要だ。ありきたりの発言では、面白くないのだ。

「グロービスの堀はいつも面白い」と言う評判を国際的に創ることが重要だ。簡単ではないことは百も承知だが、それを目指さないとやっている意味が無い。今回のモデレートは、英国元首相のゴードン・ブラウン氏もパネリストとして入り、サマーダボスではメイン会場の次に大きな会場での開催だ。俄然やる気になる。

その会場に着き、ゴードン・ブラウン氏等を含むパネリストを出迎えた。他のパネリストは、シンガポール国立大学の学長、ユネスコの教育部門の事務局長補、カーネギー・メロン大学のプロボースト(教授のトップ)、インドの教育ベンチャーの起業家というバランスが取れた構成だった。テーマは、「教育の将来」だ。頑張るぞーー!

出だしでちょっとパネリストの発音がうまくできずに手こずったが、後は、とても落ち着いてできていた。会場からの発言希望者も数多く出て、会場の感触が良いことも実感できていた。1時間のセッションも終わりが近づき、僕が「教育の未来」に関する考察を述べ、エンディングを迎えた。

終わり次第、隣に座っているゴードン・ブラウン氏から、「Good Job!」という言葉をもらった。壇上に駆け付けた参加者からは、握手をしながら、「サマーダボスで最高のパネルだった」との過分の褒め言葉もいただいた。ゴードン他のパネリストに別れを告げ、WEFの関係の事務的な打ち合わせを行い、グロービスからの参加者である鎌田氏、村尾氏、水野氏と合流した。「とても良かった」と言われ、開放感も手伝い、とてもいい気分になった。

ツイッターをみたら、たまたまセッションに参加していた方から「堀さんのモデレーション、かなり上手い。交通整理や前提情報の提示をしっかりしてるので、議論がとてもスムーズに進んでいる」という呟きも見つけることができた。

この模様は、動画中継されてアーカイブ化されているので、ここでご紹介する。

http://t.co/ouzO0yGO

その夜、竹中平蔵さんや松本大氏等と合流し、中華料理を堪能し、グロービスのスタッフ2人とともに、北京に向かった。北京のホテルに着いたのは夜中の1時を回っていた。

翌9月13日の北京の朝、ホテルのロビーでグロービスのベンチャー・キャピタリストの高宮氏と合流し、投資家との会合を済ませた。最近僕が出張するとグロービスのスタッフも多く同行するようになってきた。グロービス・ナイトには、グロービス中国やシンガポールの代表を含め6名が来ていた。高宮氏を含めて7名もが中国に同行していたのだ。

投資家との会合を終えた後のランチタイムは、高宮氏と共通の友人夫妻と北京ダックを堪能した。タクシーから北京空港に向かい、羽田行きのフライトで中国を後にした。翌日から、すさまじい反日デモが繰り広げられるとは、夢にも思わない程、平穏な空気だった。

2012年9月18日

次の出張の目的地ボストンに向かう機内で執筆

堀義人

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