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外出自粛のGWに自宅で観たい!おすすめネット配信映画

投稿日:2020/05/01

ゴールデンウィークに、自宅で観たいネット配信映画(Prime Video、Netflix、Hulu、YouTube映画chなどで配信中の映画)をグロービス経営大学院の教員がビジネスの視点から紹介します。外出自粛の今だからこそ、自宅でゆっくり過去の名作や見逃した作品をご覧になってはいかがでしょうか。

『オデッセイ』 〜極限的な非常事態でもサバイブできる人の秘訣とは?  

推薦者:林恭子

いつ終わるともわからない事態への不安の中、誰にも会いに行けない。自由に出歩くこともままならない。食料や物資も本当に足りるのだろうか…。
 
まさに2020年5月の今、私たちが体験しているような状況。でも、この体験をしている人物が他にもいました。映画『オデッセイ』で、科学者のワトニーは、不測の事故により怪我を負ったまま、たった一人で火星に取り残されてしまうのです。彼が生きていることすら誰も気付かず、食料もエネルギーにも限りがある。皆さんだったら、そんな状況におかれたらどんな心境になるでしょう。悲嘆にくれ、絶望に苛まれ、自暴自棄になる?もしくは、無気力に苛まれて起き上がれなくなる?

でもワトニーは違いました。とにかく何か考えて、できるだけのことをやってみようと、残された宇宙施設内の資源をくまなく探します。そして植物学者としての知見を活かして、食料や、電力、酸素を得る方法を見つけていきます。その後も、何度も何度も訪れる危機。でもその都度、「いや、それでも何かできるのではないか」と立ち上がるのです。そして、そんな彼の「友」になるのが、仲間がたまたま残していった、70年代のディスコミュージック。

この映画は私達に、「希望」を持つことがいかに私達の精神を救い、持っている「潜在能力」や「創造性」の発揮に力を貸すかという「ポジティブ心理学」の示唆や、やったことのないことでも、出来るはずと一歩を踏み出す勇気につながる「自己効力感」の重要さを教えてくれます。非常時の状況の中でも、目標を決めて規則正しい生活をしてみる。自由の利かない生活の中でも、楽しい音楽を聴いたり、ユーモア溢れる本や動画を見て、笑顔になってみる。そう、今こそ是非、皆さんに観て頂きたい一作です。(本映画は、後日「シネマで学ぶ」シリーズでも詳しく解説する予定です)

https://youtu.be/7WqYuPYilOY

オデッセイ』(アメリカ/2015年) 監督:リドリー・スコット 出演者‎:マット・デイモン

 

『ロッキー・ザ・ファイナル』 〜ネバーギブアップの精神

推薦者:溝口聖規

『ロッキー』と言うとアクション映画と思う人が多いと思います。確かにボクシングを題材にした作品ですが、実は1人の男の生き様を描いた人生ドラマなのです(ボクシングシーンはリアリティに欠け、さほど面白く無いです(笑))。

一般的なシリーズ作品と異なり、ロッキーは作品ごとに歳を重ねます。そして、人生の節目で幾多の課題、困難に遭遇します。ロッキーはただ強いヒーローではありません。自分の弱い部分もさらけ出しながらも、決して諦めず信じる道を貫きます。毎作品が名言の宝庫ですが、中でも『ロッキー・ザ・ファイナル』で息子にかけた言葉がグッときます。ロバート(息子)は、常に周囲から色眼鏡で見られ、思うようにいかない理由を父親であるロッキーのせいにして人生に前向きになれません。

It ain’t how hard you hit, it’s about how hard you can get hit and keep moving forward. How much you can take, and keep moving forward. That’s how winning is done.(お前がどれだけ強く打てるかじゃなく、どれだけ打ちのめされても前へ進めるかだ。その先に勝利があるのだ。)

ビジネスも同じです。ビジネス環境は常に変化します。コロナ不況のような不測の事態も起こるでしょう。しかし、他責にしても何も変わりません。自分の目標は何か?今何をすべきか?今こそ真価を問われる時だと、ロッキーが背中を押してくれている気がします。Good luck!

https://youtu.be/58ZKVB5TRgw

ロッキー・ザ・ファイナル』(アメリカ/2006年) 監督・脚本・出演:‎シルヴェスター・スタローン

 

『羅生門』 〜根拠としての他者の「発言」の妥当性を再認識させる 

推薦者:嶋田毅

日本の映画史に残る一作であり、黒澤明作品の代表作でもある本作は、芥川龍之介の「藪の中」に着想を得ている。時は京の都が荒れに荒れた室町時代。盗賊が、山中で貴族の夫婦を襲い、夫を殺し、妻を手籠めにするという事件が起こる。ところが、検非違使(裁判所)では当事者たち(夫は霊媒師を通じて)が順に行う自白内容が全く食い違っており、何が本当の出来事、真実なのか混迷していく。狂言回しを務める目撃者の農民は最後に自分こそ真実を見たというが、それも別の聞き手に矛盾を突かれてしまう…。

人は自分の考えを構築する際に、他者の意見を多少なりとも根拠とするものだが、そこで不適切な意見を根拠として入れてしまうと、当然正しい主張には結びつかない。「クリティカル・シンキング」の基本である。本作は、そうした「証言」「証拠」の妥当性について考えさせられるとともに、人間という動物の弱さや身勝手さも考えさせられる作品である。他人の話を無批判で受けいれることの戒めになっているともいえる。

なお、作品自体は同時に人間の良心も感じることができ、後味は良い。妻役の京マチ子の演技が素晴らしく必見である。太陽光線をあえて撮る大胆な構図や、「ボレロ」のオマージュ風のBGMも斬新な意欲作である。

[caption id="attachment_44479" align="aligncenter" width="2084"] 羅生門』(日本/1950年) 監督:黒澤明 出演者‎: ‎三船敏郎‎、‎森雅之‎、‎京マチ子 ※写真はイメージ[/caption]

 

『ラ・ラ・ランド』『君の名は。』 〜何が恋愛を成立させるのか

推薦者:金子浩明

私はミュージカル映画というジャンルが苦手です。『ラ・ラ・ランド』も冒頭のシーンで止めたきりでした。その後、3回も観てしまったのですが。

同じ年に日本でヒットした映画に『君の名は。』という作品があります。共に恋愛を扱っていますが、恋愛の描き方は対照的です。『君の名は。』は全く無関係な男女二人の身体が入れ替わっていたという設定で始まります。少年の妄想物語になってしまいかねない設定ですが、隕石から町を救う経験を通じて、二人の関係には後付け的に崇高な意味が付与されます。隕石は自ら望んだことではないので、受け身的でもあります。

一方の『ラ・ラ・ランド』は、互いに夢を抱く男女が偶然出会って恋愛に発展します。女の夢は映画女優、男は自分のジャズクラブを持つことです。しかし、夢を追いかける途中で破局を迎えてしまいます。結果的に2人はそれぞれの夢をかなえますが、結ばれません。

社会学者の大澤真幸氏は、『君の名は。』には恋愛のプロセスが抜けていると指摘します。恋愛のプロセスとは、最初は無関係だった二人が、いつしか分かちがたい関係に至るものです。『君の名は。』では最初から体が入れ替わっているので、その時点で宿命的な関係が成立しています。一方の『ラ・ラ・ランド』はそうではありません。結ばれたくても、常に障害が立ちふさがります。ロミオとジュリエットから続く、典型的な恋愛ストーリーと言えます。『ラ・ラ・ランド』で二人の関係を妨げるのは、譲れない夢の存在です。「夢と恋愛、どちらを取るのか」。皆さんだったら、そこで迷いなく恋愛を取るような人と、恋に落ちるでしょうか。結局その程度の夢だったのか、と相手に失望するかもしれません。つまり、この物語で恋愛のプロセスを成立させているのは、互いの「夢」の存在なのです。

大澤氏いわく『君の名は。』のヒットは、現代日本における「恋愛表現の不可能性」を示しています。それは、日本で人々が夢を抱くことが難しくなっているからかもしれません。だから恋愛のプロセスを描くことが出来ない。そんな時代だからこそ、夢や志を追いかけている(あるいは迷子になっている)ビジネスパーソンに、2つの映画をお薦めします。

https://youtu.be/1nnR54DZgJk

ラ・ラ・ランド』(アメリカ/2016年) 出演者:ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン

https://youtu.be/1R5OeblLL_U

君の名は。』(日本/2016年) 監督:新海誠 声の出演:神木隆之介 上白石萌音

 

『ウォール街』 〜会社は誰のものかを考える機会

推薦者:溝口聖規

オリバー・ストーン監督の『ウォール街』は、金融ビジネスを題材にした映画です。過剰な資本主義による倫理観の崩壊が問題となりました。舞台となった1980年代のアメリカは財政、貿易の双子の赤字に苦しみ、ジャパンマネーが隆盛を極めつつあった時期です。

マイケル・ダグラス演じる野心的で冷徹な投資家、ゲッコーが、投資先のテルダー製紙の株主総会で放った「Greed is good」のスピーチはあまりにも有名です。「(七つの大罪の1の)強欲は善だ、強欲こそが発展の精神を磨き上げ、ひいてはアメリカを立て直す」と株主に説き、拍手喝さいを浴びます。自分は会社の破壊者ではなく解放者なのだ、と。物言う株主の登場です。チャーリー・シーン演じるバドは、大富豪のゲッコーにあこがれ師事しますが、父親の影響もあり次第に自分の考えに疑問を感じるようになります。

映画の公開から20年を経て、日本でも物言う株主が台頭しました。それを契機に、株主の存在感が段々と高まっています。従来、持ち合い株式などを要因とした株主軽視の経営に対する反動とも言われます。資本の論理では会社の所有者は株主ですが、株主だけで会社の価値が高まることにはなりません。資本主義とは何か、経営者として株主にどう向き合うかを考える良い機会になるのでないでしょうか。

https://youtu.be/lehkVkE6TE8

ウォール街』(アメリカ/1987年) 監督:オリバー・ストーン 出演者‎:マイケル・ダグラス、チャーリー・シーン ‎

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