GLOBIS-AQZプロジェクトが始動、囲碁AI世界一と若手棋士育成を目指せ

本日、囲碁AIで世界一を目指す「GLOBIS-AQZ」について記者発表会を実施した。簡単にこのプロジェクト発足に至った経緯を説明したい。

中国深センにあるテンセントを訪問し、絶芸開発チームに面談したのは、昨年9月14日のことだ。

その時に以下を聞いた。
・たった2年前に開発を始めた
・それまではAIエンジニアはいなかった
・アルファ碁の論文をベースに試行錯誤して絶芸を開発した
・今やテンセントの中でディープラーニングは当たり前になった

大いに刺激を受けて、帰国後すぐにプロ棋士の大橋さんにコンタクトし、日本で一番強い囲碁AI「AQ」を開発した山口祐さんの紹介を受けた。

その際に伺ったのが、
・アルファ碁の論文をベースに開発した
・今や絶芸、フェイスブックに匹敵する強さになったが、世界一を取れていない
・今後は個人ではなく、もっと大きなチームが必要となる

山口さんは、ちょうど産総研を辞めたタイミングだったので、「一緒にやりましょう」と意気投合。

さらに、囲碁AI「Raynz」を開発しているトリプルアイズの福原智さんから連絡があり、ぜひご一緒したいという話になった。これで、日本1、2位の囲碁AI開発チームが組むことになったというわけだ。

その後、日本棋院の原常務理事にもコンタクトして協力頂くことになり、さらに産総研と東京大学の松尾研に依頼して、まさにオールジャパンの体制が構築できた。

その概念図がこちら。

目標は、今年8月の世界大会で世界一を目指すこと。

現在囲碁AIの世界地図は、米国No.1がフェイスブックのエルフ、欧州No.1がベルギーのゴラクシー、中国No.1は、テンセントの絶芸だ。それらの世界強豪に挑戦状を叩きつけて、世界一を目指そうと思っている。

しかも今までの「シングルエージェント学習方法」ではなく、新たな手法である「マルチエージェント学習方法」を採用する。

さて、グロービスの特徴は2つある。
・グロービス杯世界囲碁U-20を主催して、今年で6年目を迎えるほど棋士育成に熱心なこと。僕自身も日本棋院の理事を務めていること
・グロービス自体が大学院を創設するなど経営に熱心であること

この囲碁AIを開発して世界一を目指しつつ、他に2つのことを視野に入れている。
・棋士の育成に活用すること。今日もグロービス杯世界囲碁U-20に参戦する2人の若き棋士が来ていた。彼らや仲邑菫さんのようなもっと若い棋士を育成したい
・将来的には、経営の意思決定をする経営AIを開発すること

グロービスの中には、GAiMERiというグロービスAI経営教育研究所(GLOBIS AI Management Education Research Institute)というAI研究機関がある。主に自然言語処理を活用して、既にAIに願書を読んでもらうなど実施している。

この囲碁AI開発を1つのきっかけにして、ゆくゆくは経営AIを創りたいと思う。なぜならば、囲碁と経営はとても似ているので、囲碁AIの手法を使うと、経営の意思決定もできると思われるからだ。

囲碁AIの開発は、自動車のF1に匹敵すると思っている。トヨタ、ホンダなどの自動車各社がF1に参戦し、世界一を目指して開発に鎬を削った結果、エンジンやパーツなどに大きなイノベーションが生まれた。

現代のF1が今の囲碁AIだ。グーグルに始まり、テンセント、フェイスブックなど世界の主要会社が参戦してきた。そこにグロービスが、オールジャパンチームであるGLOBIS-AQZのリーダーとして、貢献したいと思う。

2019年4月18日
堀義人

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