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インド出張報告その②~「フォーラム」と呼ばれる世界的な盟友ネットワーク

投稿日:2008/12/01更新日:2019/08/20

僕には、「フォーラム」と呼ばれる世界的な盟友ネットワークがある。

そのメンバーは、アジア・オセアニアの全域から集まってくる7名によって構成されている。「フォーラム」とは、同じメンバーが年に3-4回、所定の場所にオンタイムで集い、徹底された守秘義務で守られている会である。通常、金曜日のランチタイムから始まり、2泊3日をともにし、日曜日のランチを持って解散となる。

遅刻をすれば、一分につき一ドルの罰金となる。3時間以上の遅刻は自動的に500ドルの罰金となり、不参加はいかなる理由であっても1000ドルの罰金が課せられる。会議は完全に締め切った状態で実施され、会議中に電話に出ることは厳禁である。例え電話に応対しなくても電話が鳴ってしまったら罰金10ドルが課せられるのである。当然、そこで知り得た情報は、一切他言してはいけない。他に漏らすと、永久追放どころか、下手をしたら訴訟を受けることになる。

それが、「フォーラム」という組織である。僕が所属するフォーラムには、7名が加入している。豪州のパースより1名、中国・香港から1名、タイ、シンガポール、マレーシアからそれぞれ1名、そしてインドから1名である。日本代表の僕を加えれば、ほぼアジア・オセアニア地域(北アジア2、東南アジア3、南アジア1、豪州1)を網羅していることとなる。

全員社長であり、且つ最低限10億円以上の売り上げと社員数50名以上をかかえる規模の会社を経営していることが条件である。しかも年齢は原則50歳以下である。このフォーラムは、YPO(世界青年経営者機構)のメンバーによって構成されている。

僕がこの国際フォーラムに入ろうとした理由は、以下である。

・アジアNo.1のビジネス・スクールを目指すに当たっては、世界各国から優秀な人々を集めなければならない。その際には、フォーラムで知り得る各国のリーダーの知恵とネットワークを活用させてもらいたい。

・また国際フォーラムでは、全てが英語で実施されるので、英語力の向上にも役立つし、世界各地から集うので世界的視野や知見を高めるのにも役に立つ。

・そして、フォーラムを通して、僕自身が人間としてリーダーとして、さらに成長したかったからである。

・さらに、このフォーラムと近い形態をグロービスの卒業生にも導入して、彼らの成長に役立てないかを検討したいと思ったからだ。

僕は、このフォーラムに入る前には、そのメンバーのうち誰一人として知らなかった。ただ、そのフォーラムの考え方(後述)と国際的なメンバーの構成にとても興味を持ったのである。ある日本人の友達から「国際フォーラムに入らないか?」と誘われて、二つ返事で入会することを決めたのもそのためである。

これこそ縁がもたらす、ネットワークなのであろう。「縁」というのは、「不思議」なものの方が良いらしい。つまり、前もって知っているメンバーが集うよりも、見知らぬ人々が不思議な縁で結ばれている方が、より良いのだと言う。

「不思議な縁」という言葉は、仏教の世界観では、最も高尚な縁を表現するものらしいのだと、ネミックラムダを創設した斑目氏はそう説明してくれた。だからこそ、見知らぬ人々がメンバーとなる世界的ネットワークである「フォーラム」に、加わることにしたのである。

このフォーラムに所属したのは、2年ほど前のことである。それから合計8回、同じメンバーが会い続けた。最初は、シンガポール、そしてマレーシア、バンコク、京都、香港(マカオ)を経て今回は、インドのムンバイに来ているのである。

原則開催地は、参加者が持ち回りでホストをすることになっている(今年の夏の豪州国パースで開催の順番では、残念ながら他メンバーが参加しにくくなったので、急きょバンコクで開催することになった。従い、バンコクでは計2回開催され、シンガポールは集まりやすいからという理由で同様に重複開催されている)。

僕は、可能な限りフォーラムに合わせて投資家に会ったり、カンファレンスの時期に合わせて開催してもらったりして、時間と費用を有効活用するようにしてきた。

ここで、簡単に「フォーラム」に関して説明しよう。フォーラムを僕なりに整理すると以下の通りとなる。

1)同じメンバーが必ず集う継続性
2)守秘義務・時間厳守の厳しい戒律
3)経験の共有のネットワーク
4)厳しい発言方法と学びの共有のストラクチャー

などが特徴だと思う。議論をする中身に関しての詳しいことは、フォーラムのルールに従いここでは書くことはできない。

だが、「その場で聞いたことは、墓場まで他人には喋らない」という守秘義務で固く結ばれていることによる効果は、絶大である。基本的には、何でも話をできるのである。下品な表現をすれば、「パンツを脱ぐ」とか「素っ裸になる」と表現されることもある。つまり、自らが悩んでいる経営のことから始まって、子供の教育、家族のあり方、健康問題、そして将来の方向性など話をする内容は多岐にわたっているのが一般的なフォーラムの中身である。国際フォーラムでは、各国によって文化的な違いがあって、とても興味深い。

基本的に、時間厳守で集うと最初に各人のアップデートを各15分程度行う。その間、過去3カ月間の進捗をアップデートし、不在の間のギャップを埋めるのである。そのあとで、プレゼンテーションをする人を決めて、いわゆるフォーラムが始まるのである。

そのフォーマットに関してもここでは説明しきれない。なぜならば、このフォーラムに入会する前に、各人が必ず丸一日のフォーラム・トレーニングを受けることになる。そして、フォーラムのモデレーターになるのにも、さらに二日間のトレーニングを受ける必要があるのである。そのフォーマットの中身に関しても説明することは、許されないと理解している。

夜は、メンバーでの食事会である。その際にも個室を使い、各国の近況を共有するのである。インド、タイ、豪州、中国、マレーシア、シンガポールなどの状況が手にとるようにわかる。特に、今のサブプライム・バブル崩壊後のアジアの経済、世界株式・通貨の動向、そして世界経済はどうなっていくのかもわかる。当然、タイの国際空港封鎖もある程度は予測できていたことである(インドのテロはさすがに晴天の霹靂であったが)。

この会合を2年間(計8回)も続けるとさすがに親しくなる。京都で開催されたときには、4月の桜のシーズンに合わせて、メンバーが奥さまを同伴して実施した。僕は、このパース在住のメンバーの関係もあったので、子供を通わせる学校を豪州のパースに選定したほどである。今まで僕ら家族は、3回もパースに滞在してきたのである。その間、車を貸してもらったり、家に招待してもらったりで、家族ぐるみの関係となっている。

またマレーシア人がニセコに行く時に合わせて、僕も一緒にニセコにスキーに行ったこともあった。当然、僕がカンファレンスでシンガポール、クアラルンプール、ムンバイに行くときには、それぞれのメンバーと必ず食事をともにしてきた。

それが、「フォーラム」と呼ばれる世界的な盟友ネットワークの姿なのである。おそらく一生涯付き合い続ける仲間となるのであろうと思う。そういう仲間が世界各地にいることは、とても励みになる。アジアNo.1を目指すうえでも、必ずや協力してもらえると確信している。

グロービスの英語のインターナショナルMBA(IMBA)もいよいよ来年2009年4月スタートである。とても優秀な学生が集まりつつあるので、成功を予感している。

そして、その次のステップは、いよいよ英語によるフルタイム(全日制)のMBAである。

フォーラムなどを通して、アジアNo.1のビジネス・スクールに向けての布石は、アジア各地に着々と打たれつつあった。

2008年11月30日
自宅にて執筆
堀義人

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