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初めての学長挨拶@「グロービス経営大学院」の入学式

投稿日:2006/04/04更新日:2019/08/21

桜が美しい4月の日曜日の昼に、グロービス東京校でグロービス経営大学院の初めての入学式がとり行われた。

グロービスが、経営大学院の認可を受けてから、最初の入学式であり、前身のGDBA(Graduate Diploma in Business Administration)から数えると4回目となる。大阪校では、一足早く一週間前に入学式が開催されていた。今年度の入学生は、大阪校ではGDBA生4名・MBA生が23名、東京校では、GDBA生が23名・MBA生が55名で、東阪総計で105名の学生が新たにグロービスでMBA・GDBAの学位・認証取得を目指して学ぶこととなった。

入学式で‘学長‘という肩書きで挨拶をするのは、初めてのことである。学生の中には、僕よりも年齢が高い人も数名いる。また、グロービスの入学式には、ご家族の参列も許されているので、いつものようなカジュアルな挨拶で済ますわけにはいかない。

そこで、何を話そうかと思案することになった。

色々と考えたが、やはりグロービスの3つの教育理念は外せないし、「創造と変革の志士」を育成する、というミッションは、どうしても伝えたかった。また、今までグロービスを創ってきた歴史と今後の方向性は盛り込みたいと思った。それらの内容を、10〜15分の間に簡潔にまとめる必要があった。パソコンに向かい、少しづつ書き始めた。

入学式の当日になった。思い思いの格好で、入学生が家族を伴い、グロービスの二番町のキャンパスに参集してきた。奥様、お子さん連れ、中にはご両親を連れてこられる方。妹さんと一緒の方、大学生になろうかという息子さんや娘さんを連れてこられる方もいた。

開始時間の11時に近づいたので、中に入ってみた。グロービス101・102教室をぶち抜いたホールには、80名以上の学生、20名以上の教員、40名近くのご家族の方が、整然と座っていた。静かに流れていたエルガー作曲の「威風堂々」のスイッチを切り、司会の木暮桂子が入学式の開催を高らかに告げた。学長の堀の名前が呼ばれたので、静かに壇上に向かい、グロービス経営大学院の学長としての初めての挨拶を行うこととなった。

「皆さん、ご入学おめでとうございます。

桜が美しく咲き誇るこの季節に、GDBA生23名、大学院生55名、合計78名の優秀な方々を迎え入れることができて、とても嬉しく思っております。本日、キャンパスに向かう途中、桜の花を眺め、新しいものが始まる予感があり、ワクワクと嬉しい気持ちとなりました」。

ちょっと緊張しているのが自分でも感じ取られたが、そのままゆっくりと続けることとした。

「思い起こせば、14年前、僕が29歳の時に、このグロービスがスタートしました。お金も、信用も、実績も、何も無い時のスタートでした。あったのは、五体満足な体と、MBAで身につけた能力と、そしてやってやるんだという志・信念のみでした。

まさしく、ゼロからのスタートでした。

最初は、アパートの一室を事務所にして、道元坂の貸し教室を使って20名強の受講生とともに始まりました。何も無いところからのスタートでしたが、ハーバードのような立派な大学院を作るんだ、そして良い人材を育成するんだ。という強い信念を持ち続けてきました。1996年にレスター大学のMBAが始まり、2003年にGDBA、そして本日、大学院として最初の入学式を迎えることができました。

教員・スタッフのメンバーのご尽力もあり、一昨年の日経産業新聞のランキングでは、日本3位となりました。僕らにとっては、これはまだ通過点でしか無いです、ゆくゆくは、グロービスは、アジアNo.1のビジネススクールになるべく、まい進し続けます。

皆さんは、まさに創造と変革を体現しているその大学院を最終学歴として選ばれました。優秀な皆さんがくだされたその意思決定に応える責務が、僕らにはあると思います。常に、最善のカリキュラム・コンテンツ・講師陣をそろえるとともに、スタッフ一同、皆さんの学びに役立てるように最大限頑張りたいと思います。

一方、皆さんは、‘創造と変革の志士‘となりうる学生として、書類審査、試験、面接などを経て、晴れて入学審査で合格されました。皆さんは、今後の日本、アジア、そして世界の‘創造と変革‘を成し遂げるリーダーとしての役割が与えられたのだと思っております。

その皆さんに、グロービス入学に際して、2点ほどお願いがあります。この2点は、グロービスの中でも、何度も聞き続けることになると思います。

一つは、グロービスの教育理念である、3つの場を最大限活用して、多くを吸収して欲しい、ということです。

(以下骨子のみ)
・ 能力開発の場(知識、考える力、人間関係能力)
・ 人的ネットワーク構築の場(同期は、一生涯付き合っていく仲間。大阪、名古屋にも仲間がいる)
・ 志醸成の場

もう一つは、創造と変革の志士として、人間力、人間の器を研鑽して欲しい、という点です

(以下骨子のみ)
 -高い倫理観をもって欲しい
 -感動する力、感情移入する力
 -正義感・行動哲学
 -使命感(「吾人の任務」)

皆さんは、2,3年間で卒業されていくと思いますが、その間大いに学ぶことを楽しんでください。そして、思いっきり多くを吸収して欲しいと思います。ここには、良い学生と、良い講師、良いスタッフが集っています。GDBAのよき先輩も多くいます。GDBA・MBAなどと境をつくらずに、大いに夢を語り合い、助け合っていってください。

皆さんが、グロービスの場にて、今後2,3年間大いに成長できることを祈念しています。
このたびは、ご入学おめでとうございました。

2006年4月2日
グロービス経営大学院学長
堀義人

喋り終えると、静かに席に戻った。緊張していたけど、まあまあの出来だったかと思う。この学長スピーチの後、二名の学生から入学の決意表明があった。二人とも、「創造と変革の志士」として学び、社会に貢献する、という趣旨の内容で、高らかに決意を表明されていた。熱くなるものを感じた。

続いて、入学生の名前が一人一人呼ばれ、各自が起立して一言づつ挨拶をした。緊張感の中にも笑いがあり、それぞれ個性を発揮しながら挨拶をしていた。共通して言えることは、入学生は皆、熱い情熱を持った真っ直ぐな方々ばかりであるという点だ。教員・スタッフも同様に、名前を呼ばれ一人づつ起立して、一言づつ挨拶をした。各位の挨拶からは、「良い大学院を作るんだ」、という気概が言葉の端々から感じ取られた。

そして、入学式は、閉会となった。ご家族以外は、全員が一言づつ話す異例の入学式となった。

併設されているラウンジで、引き続き懇親会が開催された。桜の花が窓越しに見えて、入学式の気分を盛り上げてくれている。入学生、ご家族、教員・スタッフ、そして先輩のGDBA生などが一同に介しての昼食会であった。

写真撮影を挟んでの懇親会では、お祝いに駆けつけてくれたGDBA生の先輩から挨拶をもらい、その後ご家族からの挨拶をしてもらった。これで、参加者全員に一言づつお言葉をもらうことになった。

ご家族のお言葉は、印象深かった。広島からいらしたお母様、赤ちゃん連れや出産間近の奥様、大学二年生の息子さん、更には新婚ほやほやの方や、結婚間近のフィアンセがそれぞれの思いをこめて挨拶をされた。皆一様に、「大学院に行くと聞いて最初は不安だったけど、ここに来て気持ちが固まりました。2,3年間は、学べる環境を提供すべくサポートしていこうと思いました。」という愛情いっぱいの挨拶で心が暖かくなった。

入学生が、グロービスのMBA・GDBAを取るという意思決定は、一人ではできないことである。なぜならば、300万円弱の学費がかかり、しかも仕事をしながら夜間・土日で学ぶことになる。ご家族には、2,3年の間、経済的にも時間的にも負担がかかるのである。

そのご家族の挨拶を聞きながら、「良いブログラムを提供して、良い大学院にしよう」と、教員・スタッフ一同心を新たにしたものと思う。

最後に、名誉学長のジェームズ・アベグレン氏の挨拶で、全ての式次第を終えることになった。
僕は、その感動がやまないうちに、このコラムの執筆を始めることにした。

2006年4月2日
グロービス経営大学院学長
堀義人

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