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ニュー・インダストリー・リーダーズ・サミット(NILS)という学びの場

投稿日:2005/07/06更新日:2019/08/26

ニュー・インダストリー・リーダーズ・サミットI(NILS)とは、CNETとグロービス・キャピタ ル・パートナーズ(GCP)が共同で主催するベンチャー経営者とベンチャーキャピタリストが集う会合である。昨年の11月に宮崎のシーガイアで第一回目を開催した。

第一回目のイベントは主催協力の代表でありながらも、僕は参加しなかったのだ。理由は簡単で、遠慮したからである。グロービスからは、3名も執行委員会のメンバーとして名を連ねているが、そこで何もしていない代表の僕が偉そうにしゃしゃり出る気にはなれなかったのである。

そして、第一回目のNILSは、大成功で終わった。ホリエモンことライブドアの堀江貴史社長、サイバーエージェントの藤田晋社長、そしてGMOの熊谷正寿社長などの大物が参加して盛 り上げていた。この成功は、本当にうれしかった。僕が、全く関与しないで成功することが、とても嬉しいのだ。

経営者によっては自分が関与していないことに寂しさを感じる人がいるかもしれないが、僕は明らかに違う。可能な限り任せ、場を提供する立場になりたいと思っているのだ。社内では、「放任主義」とも呼ばれ始めている。

今でも良く覚えているのが、創業後一年たったときの光景である。「堀さんは、この会議に参加しなくてもいいですよ」と言われて、スタッフがそそくさと会議を始めたときのことである。僕は、阻害感を感じる前に、代表の僕が会議に参加しなくても仕事が回り始めたという事実に、言い表せないような喜びを感じたのである。「組織が育ち始めている」と僕は実感して、嬉しくなっていたのだ。

第一回目のNILSも同様である。僕は、全く何もしていないのに大成功だったのだ。これは喜ばしいことである。僕は、このまま第二回目も参加しない予定でいた。ところ が、そうはいかなくなった事情がある。

4月後半に開催されたあすか会議の一日目の夜のことである。若手のネット起業家などと談笑しているとき、明らかに時代が変わっていることを認識し、「もっと学ばなくてはならない」と痛感したのである。最近特に感じるのは、インターネットの世界では、20代から30代の起業家が主流を占めているという点だ。知らぬ間に僕らは、若手起業家から中堅起業家になっていたのだ。

今までは先輩起業家から学んできたが、今後は僕らよりも若い起業家からも学ぶ必要が出てきているのである。NILSには、そういう新進気鋭の若手の起業家が集っているのだ。そこで、NILSを仕切っているGCPの小林氏にあすか会議開催中にメールを送 り、「第二回は参加しようと思うがどう思う」と打診をすることにしたのである。

今回のNILS参加の目的は、「学ぶこと」、それだけである。なるべく目立たないよう にしたいと思っていた。今回は招待者ベースで160名の起業家とベンチャーキャピタリストが集っていた。第二回目の会場は、北海道のウィンザーホテル洞爺湖である。初め て泊まるホテルでもあるので、楽しみであった。

7月1日金曜日に朝起きて、近所の起業家ママである、ニューズ・ツー・ユーの神原社長に電話した。「せっかくだから一緒に行こうよ」。待ち合わせして、羽田空港まで移動した。道中色々と質問攻めにして、頭の中で、インダストリーマッピングをする。羽田空港では待ち合わせ時間に近づくにつれ、参加者の姿が見えてきた。思ったよりも年齢層が若い。中心メンバーは20代後半から30代である。40代のネットエイジの西川潔社長の姿を見つけて、なんとなく安心感を覚えた。

千歳空港に到着し、バス4台を連ねて、会場である洞爺湖のウィンザーホテルに向かった。2時間のバス移動中に、最近のベンチャーの流れや新しいネットビジネスの潮流などの聴取や、名刺交換をしたり、古くから知っているメンバーと近況を報告し合う。

2時45分ごろにホテルに到着。洞爺湖の景色が美しい。3時15分から、小林氏によるオープニングがあり、第一セッションが始まった。スピーカーは、弊社の投資先企業であるGDH社の石川社長とグロービス・キャピタル・パートナーズの仮屋薗氏とであった。あらためて石川社長の話を聞くことになったが、創業時より成長していることを認識する。

休憩後の第二セッションからは、分科会になっている。僕は、「E-Commerceの新潮流」というテーマのセッションに参加した。ケンコーコムの後藤玄利社長、ドリコムの内藤裕紀社長などがパネラーとして参加していた。

休憩時間には、ネットワーキングである。今回、嬉しかったのは、京都大学出身のベンチャー起業家が増えていることである。先ほどのドリコムの内藤社長、はてなの近藤淳也社長、ゆめみの片岡俊行会長や深田浩嗣社長、アクションクリックの松本拓也社長など、数名いたのである。地域的には、東京在の大学が有利なのだが、京大出身の起業家は、それぞれ皆、京都で事業を興し、人目につかないうちに成長して、大きくなってから本社を東京に移転しているのである。いわゆるサブマリン戦略である。

ただ、残念なのは、現在は、誰も京都にいないことである。そこで、京大のベンチャースピリットを京都に残すべく、「京大ベンチャーの会を作り、京大でスピーチなどを実施しよう」ということになった。

ディナータイムには、ZMP社ロボット(nuvo)が紹介された。その後、僕が簡単に挨拶した。学びに来た一参加者なのだが、ご指名なのでちょっと照れながらも挨拶を することになった。

「多分、ここにいる皆様方の中で、一番最初にベンチャーを起こしたのは僕であろう。その当時の環境と比較すると、今の状況はとても喜ばしい限りだと思う。ただ、それでも不満を持っている。

一つ目が、どうも起業家がそこそこのレベルで終わっているような気がする。
二つ目が、どうも国内のみを視野に入れている気がする。
もっとグローバルな発想で突き抜けてほしい」、という内容であった。

ま、参加者は、聞いていないようだったが、言いたいことは言わせてもらった。二次会・三次会と静かに時間が流れていった。深夜12時前に温泉に浸って、就寝。

翌朝7時半に、ネットエイジの西川社長とロビーで待ち合わせして、一緒に軽くジョギングをした。小雨が降っていて、残念ながら洞爺湖は見えなかった。暫くするとジョギングシューズが、ぐしょぐしょになってきたので、ホテルに戻り、サウナを浴びて、プールで一泳ぎした。すっきりした気分で部屋に戻り、パッキングして、二日目の会合に参加する。

第一セッションは、「オンライン・エンターテイメント市場の未来展望」であった。 第二セッションは、「インターネットビジネスとプロスポーツ」に参加。グロービスが投資をした元ビズ・シークの小澤隆生氏(現楽天野球団)の話が面白かった。昼食後には、第三セッションである。本来僕がこのセッションに登壇するはずだったのだが、 「パネラーの人数が多いので」、という理由で辞退させてもらい、違うパネルに聴衆として参加した。今回は、学びが目的なので、徹底的に学ぼうと思っていた。そこでは、はてなの近藤社長やmixiを運営するイーマーキュリー社の笠原健治社長が参加していた。

そして最後の第四セッションも同様にインターネット系のベンチャー企業がパネラーを占めていた。15:30過ぎに全てのセッションが終わった。これほど真面目に最初から最後まで参加したコンファレンスは、久しぶりである。しかもスピーカーとしても参加していないのである。外を見ると雨が止んで洞爺湖の青と新緑が重なり美しかった。

実は、今月は学び月間と位置づけていたのだ。7月の後半にはシリコンバレーのコンフ ァレンスにも学びに行く予定である。こういうインプットは、集中して行うことが大切である。そして、グローバルな流れと日本における流れを関連付けながら見ていくと、頭の中に業界構図が入り、成功パターン・失敗パターンが分かり、どういう投資をすべきかがある程度わかるようになるのである。

コンファレンスの参加者の半分は、終了後にバスでまっすぐ帰った。半分は、もう一日ゴルフや観光を楽しむために残っていた。僕は、日曜日に家族と過ごす約束をして いたので、バスに乗って帰ることにした。バスの中でもネットワーキングや情報交換を行った。名刺交換した数も100は超えていたと思う。千歳空港では、 ワークスアプリケーションズの牧野社長と共に、いくらや鮭などがふんだんに入っている蝦夷料理を堪能した。話題は、もっぱらYEOの10周年記念イベントのことであった。

19時25分発の飛行機に乗り、21時ごろに羽田に到着。往路と同様に起業家ママの神原社長と一緒に番町まで戻った。お互いに感想を述べ合い、復習をする。翌日は、さすがに学び過ぎで疲れたのか、多くの人に会って疲れたのか、風邪を引いた。そして子供たちと一緒に、一日中部屋の中でのんびりと過ごすことになった。

2005年7月4日
自宅にて
堀義人

 

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