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出張中に書き始めたGREEの日記

投稿日:2005/05/26更新日:2019/08/22

5月13日から、NY、ロンドンに一週間ほどの出張に行くことになった。目的は、二つ。一つが、NYとロンドンで投資家総会を開催するため、そしてもう一つが、5月18-20日にロンドンで開催されるMBAコンファレンスに参加するためだ。投資家総会に関しては、4月中旬に東京で開催したが、海外の投資家は、なかなか日本には来れない。そこで、来られないならば、こちらからお伺いしよう、ということで、欧米の中心都市であるNYとロンドンまで出向き、「出前」投資家総会を開くことにしたのである。

13日の夕方に成田からNYに向かった。ホテルにチェックイン後すぐに、パソコンを立ち上げ、メールをチェックした。すると、見慣れないメールが入っていた。「GREE」というアドレスから弊社のベンチャーキャピタル部門 (GCP)小林氏から、招待状が届いていると連絡があったのだ。GREEとは、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)会社の一つで、友達同志がサイバースペース上で出会い、交流するサービスだ。

僕は、米国系のLinkedIn というサービスに、シンガポールの投資家の紹介で2、3年前に加入したことがあった。お付き合いで入ったのだが、すぐに後悔することになった。Linkしたいというメールがその日から何件か入ってくるのである。忙しい合間に来るので、「放っておいてくれ」という気持ちになり、全てのメールを無視していたのである。暫くして、欧州系のOpenBCへの招待状も友達から届いた。このメールにも適当に受け流すことにしていた。SNSというと、どうも出会い系的イメージがあったりで、ちょっと馴染めなかった。

ところが、そのイメージがガラっと変わったのである。出張の直前に行われたグロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP)のリトリート(研修合宿)での夜の飲み会での出来事である。飲み始めて暫くしてから、オースケ(本多氏)が、このGREEというサービスがいかに面白いかを、熱弁し始めたのである。「昔の仲間に偶然出会った。10年以上会っていない親友に、山中さんの友達繋がりで、再会して、それはもう感動した」など、酔いも手伝ってか、次から次へと、GREEで再会した友達のことを語り始めたのである。本多氏ばかりかと思ったがそうではない。他のベンチャーキャピタリスト複数名もGREEを使っているのだという。

そんなに言うならば、僕も参加してみようという気持ちに遅ればせながらもなってきた。NYに届いたメールは、小林氏からの招待状であった。GREEのサービスは、完全招待ベースである。早速パスワードを設定して、アクセスしてみた。GREEの中には、既に僕のページがつくられていた。キーワードを検索したり、友達繋がりを辿りながら、古くからの友達などを探し始めた。結構知り合いがいた。皆しっかりと写真が入っているし、友達もいっぱいいてページが綺麗であった。僕のページだけ、すかすかでは格好がつかないと思い、少しづつインプットし始めた。

まずは、僕の写真をデスクトップから探してきてきてアップした。そして、自己紹介文を書いて、キーワードをインプットした。キーワードには、趣味や好きなものをインプットできる。僕の場合は、水泳、囲碁、千代田区在住、軽井沢、シドニーなど自分が好きなものを入れていった。そして、学歴をインプットをする。僕は、小学校から大学までの学歴を書き、簡単にコメントを書いた。水戸一高仲間の中では、僕がダントツ最年長だ。他の人は皆1990年代とか2000年代卒業なのに、僕の場合には1981年卒業だ。でも、「気にしない、気にしない」と思いながら、書き進めた。

そして翌日、GREEを開いてみた。投資先ベンチャー企業のCEOなどから何件かリンク申請が届いていた。「みんな結構やっているんだな」、と思いながら承認して、みんなのページを覗いてみる。他の人のページから見て、僕のはやはり見劣りするので、本のレビューを書いてみた。手前味噌ながらも、「吾人の任務」と「人生の座標軸」を執筆者として紹介させてもらった。それから、友達が増えてきたので、友達一人一人に紹介文を書くことにした。

だんだんページも形らしくなってきた。サイバースペースでは、画面上で見えているものだけでその人の人間性が判断される。綺麗に身だしなみを整えなければならない。やっと一応は形ができあがってきた。その後、グロービスの受講生や、元グロービスの社員、さらにはハーバードの後輩からもリンク申請が届き始めた。見てみると、結構日記を書いている人がいた。

僕は、日記に慣れていないけど、思いついたことをつらつらと書き始めてみることにした。

今NYです (5月14日-日本時間)

今NYに来ています。朝、セントラルパークでジョッギングして、プールで一泳ぎしました。この季節のNYは、気候も最適で、気持ちがいいです。今日は日曜日なので、これから改装したMOMAにでも行ってみて、カーネギーホールでクラシックでも聞いてこようと思っています。

明日のランチタイムは、ジャパンソサイエティのスピーチをして、午後には、ベンチャーキャピタルファンドの米国在投資家向けの年次総会をする予定です。
あさってには、ロンドンに向かう予定。今回も世界一周出張になってしまいました。(^^;;

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どうも「ですます調」は、僕には合わない。次の日からは、コラムと同じ「である調」で書き始めた。

日曜日のカーネギーホール(5月15日)

日曜日の昼(マチネ)にカーネギーホールで、クラシックコンサートに行った。バレンボイム指揮のシカゴ・シンフォニー・オーケストラだ。

曲目は、前半がワーグナーとブーレーズで、後半はベートーベンの第七だ。ワーグナーのプレリュード(パルチバル)は、静かなまま終わったので、時差ぼけがもろに出てくる昼間に聞くには辛かった。ブーレーズは、近代的な前衛的音楽に近くて、ちょっと興ざめした。チケットが取れなくて、座席の4Fの正面の柱が立っている場所だったので、集中できなかったのも一因かと思う。

休憩を終えた時に、柱が視界を遮らない真正面でに移動した。そして始まったベートーベンの第七は、魂を揺さぶるかのような感動があった。クラシックの殿堂であるカーネギーホール。そこに、バレンボイムが、躍動的に動く。緩急自在である。時には、大きく、早く、激しく。そして、時には、小さく、ゆっくりと、感情を込めながら音が紡ぎだされていく感じだ。

最後の演奏が終わった瞬間には、思わず「ブラボー」が出て、スタンディング・オベーションとなった。拍手が鳴り止まない。アンコールがあり、ホテルに戻る。このまま感動した気持ちのまま、静かに夜を過ごし、明日の会議に臨もうと思う。

NYでのエネルギッシュな一日 (5月16日)

もっともエネルギーを使うのは、英語でのスピーチだ。そして、もっとも気を使うのは、投資家へ説明をするときだ。今日、NYで英語のスピーチと投資家への説明会が立て続けに行われた。

12時からNYの48丁目にあるジャパン・ソサイエティでスピーチ。質疑応答を入れて1時間と短いが、英語でのスピーチはエネルギーを使う。最後には、かなり疲れていたのがわかった。同僚のオースケ(本多さん)も観客として来ていた。

14時から56丁目にある提携先のApax事務所で投資家向け年次総会を実施した。参加者は6社(7名)である。彼らには、合計で50億円程度出資をしてもらっているので自ずと気が引き締まる。用意した資料を使って丁寧に説明する。途中で説明を遮り、7名から矢継ぎ早に質問を受ける。その質問に対して、機関銃のように即座に回答をしていく。二時間余り、ぶっ続けで喋り尽くしたので、頭脳の働きがみるみるうちに低下していくのがわかった。最後には、自分でも何を喋っているかわからないほどの状態になり、文法の間違いが多くなったり、発音があいまいになったりしてきた。う〜〜ん、まだまだ修行が足りない。

その後もう一件の投資家ミーティングをこなした。
イライラして、途中でキレてしまった。(^^;;

夕方6時前からApaxのCEOと一時間ほどミーティングをしたあとに、7時前からApaxの創業者であるアラン・パトリコフ氏と会食。気がしれた仲間なので、気を使わずに楽しい会合&会食ができた。(^^)
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その間にGREEにアクセスすると、どんどん友達からリンクの申請が来ていた。アクセス数も増えている。仲間が増えていくのが面白くなり、引き続き日記を書き続けることにした。

NYからロンドンへの移動日(5月17日)

17日朝早く起床し、メールチェックして、荷物のパッキングする。朝6時にプールがオープンするとともに、泳ぎ始める。ホテルのプールは、全長10Mぐらいないので、100M泳ぐのに5往復が必要になる。クイックターンを何回もするので目が回りそうになる。

7時にチェックアウトしてJFK空港へ。9時半発のBAでロンドンヒースロー空港へ。また大西洋の横断だ。もう10回以上横断していることになる。ロンドン時間夜9時にヒースロー到着(NYと5時間時差)。ヒースローエクスプレスでロンドン市内へ。ホテルに着いたのが、夜の11時。それから、友達に会うために外出。(^^)

結局ホテルに戻ったのが、夜中の2時でした。
何だか、泳いで、移動して、そして夜遊びしかしなかった一日だった。(^^)

ま、泳いだり、夜遊びでもしない移動だけじゃ、出張は楽しくないからね。

ロンドンで仕事全開 (5月18日)

朝からホテルで投資家とのミーティングだ。たまたまミシガンの投資家がロンドンに滞在しているので面談することになった。

その後、11時過ぎにロンドンのApaxの事務所に行った。12時から投資家総会が始まるが、早めに着いたのでApaxのパートナーと雑談。このオフィスには、1999年に6週間ほど滞在していたので、懐かしい感じがする。12時に投資家が来訪。寿司とサンドイッチをつまみながら、投資家に現況を報告する。同じことを何回も喋ると嫌になるので、違うスタイルで試してみる。

ホテルに戻ってきて16:30よりAMBA(Association of MBA)のコンフェレンスに参加した。レセプションでは、積極的にネットワーキングをして、ブラジル、ポルトガル、ドイツ、モントリオール、ニュージーランド、香港、英国の経営大学院とのネットワークがたちどころに出来上がった。提携話もすぐに持ち上がる。これがコンファレンスの醍醐味か。

東京からスタートして、NY、そしてロンドンと移動すると、時差ボケどころか、体そのものがボケてしまって、どこの時間にボケていいのかもわからなくなっているようだ。何か不思議な感覚だ。

明日もスケジュールがびっしり入っている。う〜〜、でも遊びたい。今から遊びに行っちゃおうかな。(^^)

投資家の投資家 (5月19日)

朝9時からノルウェーから来た投資家と面談。合計7名も来られた。説明によると、全員がファンドを通じて、僕らのベンチャーキャピタルファンドに投資をしているとのことだ。ということは、僕らのファンドの投資家の投資家に当たることになる。

欧米では、こういうファンズ・オブ・ファンズ(投資家から集めたお金をファンドに投資をするファンド)が増えている。つまり、投資家がいくつかのファンドを通して繋がっているのである。そして、結局はノルウェーの個人の投資家の資金が、2、3のファンドを経て、日本のベンチャー企業に投下されているのである。

通常、僕らベンチャーキャピタリストが、ファンズ・オブ・ファンズの投資家に直接会うことはまず無い。ましてやノルウェーの投資家であれば、会うことなど考えにくい。たまたま彼らが、プライベートエクイティの視察ツアーでロンドンに来ていて、たまたまそのタイミングで僕がロンドンにいたので、説明を求められただけのことである。

僕らのファンドの投資家に、遠く離れたアジアの島国で、彼らのお金がどのように運用されているかを説明するのが、今回の僕の役割である。ニコニコしながら一生懸命説明したが、北欧の方は反応を読み取りにくい。こちらは1名で、先方は7名である。自ずと一方的に喋っている時間が多くなる。一時間ほどして、投資家は、満足されたようであった。そして、ご一行は次のミーティングに移動することになった。

別れ際に投資家とガッチリ握手した。もう彼らと二度と会うことは無いかもしれない。彼らのためにもしっかりと日本で運用しようと思った。

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ウェストエンドのミュージカル(5月20日)

この日の夜はコンファレンスでもフリーナイトになっていた。参加者にもロンドンの生活を楽しんでもらおうという試みらしい。王立オペラ劇場で、オペラやバレーのスケジュールを調べたが、その日は近代音楽のオペラ「1984」ということでパスすることにした。

ミュージカルを調べてみたら、ロンドンで絶大な人気があるという「We Will Rock You」を見つけた。早速電話してみたら、前の方の席のチケットがラッキーにもとれた。会場に入ると、そこは、興奮状態であった。オペラやクラシックの観客ではなくて、サッカーや野球を見に行くかのような雰囲気があった。

ミュージカルが始まった。懐かしのクイーンのナンバーが30曲流れるのである。そして、フィナーレが近づいた。We Will Rock Youで皆が歌い始め、キャストが全員参加のWe are the Championで皆総立ちになった。最高の盛り上がりを見せ、ミュージカルはエンディングを迎えた。。ミュージカルで総立ちというのは、滅多にない体験だ。

そして、アンコールの曲がBohemian Rapsodyである。これには、しびれた。何よりも皆半端じゃなく歌がうまいし、アンサンブルの役者も可愛い。(^^)
このミュージカルは、5月の後半より日本でも上演されるらしい。英国のジョークをどう翻訳しているのかに注目したいところである。

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そして、今フライトの中で、コラムを書いている。

今まではブログで日記を書くことには、抵抗があった。ブログというと日記というイメージがあるが、僕の場合にはコラムを非定期的に書いている。日記を読んでも、読者からすると面白く無いのではと思っているからだ。日記形式のブログはそのうちに、すたれるかもしれないとさえ思えている。やはり、中味が無いと皆アクセスしないと思う。

当面はGREEでこのまま日記を書き続けてみようかと思う。三日坊主になってしまうかもしれないが、「その時はその時で、日記を書くのをやめればいいさ」、という軽い気持ちで書いてみようかと思っている。

気分次第で読んでくれる方がいれば、それはそれで嬉しいと思う。

2005年5月20日
ロンドンから戻るフライトの中で

堀義人

 

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