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画家 岡野博

投稿日:2003/12/04更新日:2019/09/04

「絵なんて、何が良いのかわからない。値段も高いし、買う気がしない」と生まれてこの方ずっと思っていた。数年ほど前に、妻が初めて岡野さんの絵を買ってきたときにも、「そんな絵を買ってきてどうするの?」とたしなめたように言ったことを良く覚えている。

その僕が、今は岡野博の大ファンとなり、今ではコレクターの1人になっている。不思議なものである。

岡野さんの絵は、何度見ても飽きない。シンプルな構図の中で、鮮やかな色彩を駆使されている。ナイフを使って絵を描くので、独特のタッチがあり、大胆で且つダイナミックである。ちょっと落ち込んだときに眺めると、心が癒され、気持ちがよくなる。そして元気になってくるのだ。何と表現すればよいのかわからないけど、絵に詩情があるとともに、パワーが伝わってくるのだ。

岡野さんの絵の不思議な魅力に取り付かれて、何点か購入し始めたころ、美術関係の雑誌に岡野さんが紹介された。その雑誌を読んで、僕がなぜ岡野さんの絵が好きなのかを理解することができた。岡野さんは、「いわゆる『上手な絵』など描きたくない。感動した時の気持ちを伝えたいのです」、と言っていた。

「なるほど」僕のコラムでもそうだが、決して文章をうまく書こうとは思っていないのだ。ただ単に、感じたことをストレートに伝えたいと思っているだけなのである。僕のコラムと比較するのも変な話だが、岡野さんのそのコメントを読んで、彼の絵を好きな理由が理解できた。僕は、岡野さんの魂が感じた動きを、絵を通して感じ取っていたのだ、と。だからこそパワーを感じたのだろう。

岡野さんの絵のモチーフは、バラエティーに富んでいる。人物、山、木、花、雲、太陽、船、さらには、スポーツをしている少年やマンハッタンの建築物などである。

岡野さんが描いている絵の中でも、人物がいる絵が好きだ。ほのぼのとしてくる。「夏の日」「ひまわり」「緑の中で」「カフェにて」「木枯らし」「雪かきをする人」など、人物が風景の中に溶け込んでいる感じがする。人物がいる絵の中でも、特に農作業をしている絵が更に訴えるものがある。「田植え」「花畑にて」「畑の風景」「実りのころ」「5月のりんご園」など、自然の中での農作業をしている人々が、キラキラ輝いているように感じる。

岡野さんの風景画もいい。「雲と道」「日が昇る」「さくらんぼの木」「白い花の咲く木」「オリーブの木」「風景ムージャン」そして「緑のルクサンブール公園」。この「緑のルクサンブール公園」は、今年のYAMAHAのカレンダーにも選ばれた絵であるので、知っている方がいるかもしれない。

岡野さんの絵を集め始めて間もないころ、柳画廊で「岡野博個展」が開かれた。その時に、初めてご本人とお会いした。ほのぼのとするもの静かな方である。20分ほどの短い時間だったが、僕が購入した絵の一つ一つの絵柄をお見せしながら、「どういった思いで描かれましたか?」などと質問をした。話をしていて、気持ちがよくなる方である。

そして、今年の夏に柳画廊が初めて軽井沢で展覧会を開いた。かの有名な小磯良平氏との二人展であったが、岡野さんの絵も負けずに評判が高かった。最終日に柳画廊のオーナーの野呂邸で、岡野さんの絵のコレクターを集めたBBQパーティが開かれた。このときは、幸いにも岡野さんとゆっくりとお話をすることができた。僕は、アーティストの感性や考え方に興味があったので、色々と質問させてもらった。印象に残った岡野語録をまとめてみた。

・ 「絵を描くのは、朝起きてから寝るまで、12時間以上毎日描いている。絵を描くのが好きだ。年間に数点しか描かない人がいるが、その人の気持ちがよく理解できない。ピカソ、シャガール、モネなど欧米の画家は数多く描いている。」

・ 「絵を描くときは、クラシックのボリュームを大きくしながら、描く。クラシックのCDは数千ある。最近は、ワーグナーを聴きながら描くことが多い」

・ 「様々な風景を見ると直観的に描きたいと思わせる瞬間に出会う。そのときのモチーフと風景をスケッチにしておいておき、アトリエで創作活動に入る」

BBQパーティの前に、僕の山小屋にもお越しいただいた。山小屋には、現在岡野さんの絵が20点ほどかけられている。自然の中の山小屋に、自らの絵が飾られているのを見て、とても喜んでいるようすであった。帰り際に、「一度私のアトリエに来て見ませんか?」と仰られた。社交辞令と思っていたが、後日柳画廊から、「アトリエ訪問の日程調整をしたい」、とのお話を頂いた。

そして今年の11月中旬に、岡野さんのアトリエにご招待される機会を持てた。
岡野さんの家は、市原にある。田んぼの風景の中に、ポツンと欧風の家が目に入ってきた。家の中に入ると、当然ながら岡野さんの絵が飾られていて、とても気持ちがいい。2階がアトリエになっている。数千というクラシックのCDに、几帳面にも全てにビニールがかけられていた。何十点もの製作中の絵を見せてもらった。出来上がるのが楽しみである。僕は、ちゃっかりと、そのうちの二点を予約させてもらった。(^^)¥

ランチに、奥様の手料理をご馳走になった。在仏13年間ということもあり、とっても美味しかった。僕は、美味しいものを頂くとついつい食べ過ぎてしまう。久しぶりに大食いした。今回は、子供4人全部連れて行ったので、「絵にもしものことがあってはいけない」、と気が気でなかった。せっかくのご招待なのに、あまりのんびりとした気分にはなれなかった。もっと長いことアトリエで過ごしたいものである。次回来る機会があれば、子供なしでもっと落ち着いた気持ちで、お伺いしたいと思っている。

実は、岡野さんの絵は、山小屋ばかりにでなく、東京の自宅、グロービスのオフィスや教室にもかかっている。つまり、東京の自宅を出て、会社に行き、週末に山小屋に行っても、岡野さんの絵に囲まれていられるのだ。とても幸せな気分である。

現在、岡野さんの絵は、油絵としてはまだ手が出る範囲である。今のうちに買っておくと、将来値が上がるのでは、とひそかに期待している(コラムに書いたら、もう「ひそかに」ではないが。。)。僕が買い始めてから既に20%近くも値上がりしている。聞くところによると、元気のいい若手企業家や優秀なプロフェッショナルの方々が買っているらしい。好きな絵を楽しみながらも、絵の値段が上がるのであれば、こんないいことは無い。(^^)

ちなみに、柳画廊の共同経営者の一人である野呂洋子さんは、現在グロービス・マネジメント・スクールを受講している。野呂さんが経営を学び、岡野さんの絵を世界にマーケティングしてもらえると、コレクターの一人としてはこれより嬉しいことは無い。「世界の岡野」になったときには、僕は、「堀コレクション」として展覧会をしてみたいと思っている。
そういうささやかな夢を見ながら、今も岡野さんの絵に囲まれて、このコラムを書いている。

2003年11月22日
山小屋にて

 

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