2003年4月期入学予定のGDBA一期生向けスピーチより
(2002年12月19日 GDBA第一期生との第一回懇親会にて@人形町玉ひで)
<注:GDBAとは、 Graduate Diploma of Business Administrationの略で、グロービス・マネジメント・スクール(GMS)が2003年4月より導入するMBAプログラムのことを指す。社会認知型のビジネススクールとしてスタートする予定(詳細は、拙書「吾人の任務」ご参照のこと)>
グロービス創業以来よりの念願であった、グロービスのMBAプログラムがいよいよスタートします。僕は、このグロービスのMBA化をライフワークの一つとして捉えており、とてもワクワクしています。グロービスのGDBAは、まだ始まってもいません。
そのGDBAの第一期生にこれだけ多くの合格者が出てきたのは、とても嬉しく思っています。
いまだ海のものとも山のものともなるかわからないグロービスのGDBAを受けるというリスクテーキングをしてくれた皆さんこそ、「創造と変革の志士」にたるマインドを持っている方々だと思います。皆さんのような優秀な方々が、他の日米欧のビジネススクールではなくて、グロービスGDBAを選んでくれたことに、純粋に感謝の意を表したいと思います。
皆さんに感謝の意をこめて、グロービスからは以下の3つのオファーをしたいと思っています。
一つ目が、キャリア機会提供の保証です。皆さんはGDBAプログラムに合格をしたわけですが、これから、「創造と変革の志士」として、引き続きさまざまな挑戦をしつづけるかと思います。その挑戦に成功する場合もあるし、しない場合もあるかと思います。グロービスでは、皆さんの生涯にわたって、皆さんが活躍できる場を提供しつづけたいと思っています。ただし、僕らは、水のみ場にはつれてはいくが、それをものにするかしないかは、皆さんの努力次第です。グロービス・マネジメント・バンクなどを大いに活用して、「創造と変革の志士」として思いっきり人生を楽しんでください。
二つ目が、僕の時間です。皆さんとは長いお付き合いになるかと思いますが、第一期生に限っては、僕の時間をオープンにして、些細なことでも良いのですが、何でも相談にのります。僕にとって一番貴重なものの一つは、僕の時間です。その時間を皆さんに提供する機会を存分にとりたいと思っています。もしも、迷ったり、悩んだりしたら、遠慮なくメールをしてください。何なりと相談にのり、皆さんの人生がさらに豊かになるべく尽力したいと思っています。
二つ目が、奨学金の支給です。奨学金は本来、成績上位15%のみの方に授業料半額相当の奨学金を支給することになっているものですが、ここに集ったみなさん全員を奨学生とさせていただきたいと思います。今回の第一期生合格者は非常に厳選させていただいたこともあり、皆さん奨学生に相当する優秀な方々ばかりであったこと、そしてまた志の面でも第一期生にふさわしい志の高い方々ばかりであったことがその理由です。
一方、GDBAの皆さんには、僕からは3つのお願いをしたいと思っています。
一つ目が、皆さんにはGDBAとしてのプライドをもって日々精進して欲しい、ということです。グロービスの受講生、さらには社会全般から、皆さんは常に注目を集めると思います。他の方々に、「何だ。グロービスのGDBAはたいしたこと無いよね」と言われないように、日々切磋琢磨して、頭脳、マインド、体とも鍛えて、他の人々のロールモデルとなるべく努力をし続けて欲しいです。
二つ目が、GDBAプログラムに関して忌憚無いご意見をお願いしたい、ということです。GDBAは、僕らが皆さんとともに共同でつくっていくものです。僕らは、高い志を持って、最善のものをつくりたいと思っています。率直に申し上げて、現状の施設とか図書館などのハード面ではまだまだ他のビジネススクールには追いつきません。
当然、僕らは、税金を使っておらず、社会に提供した価値の対価としての収入から運営しているだけので、自ずと金銭的には限界があります。
しかし、僕らには、高いビジョンと志があります。教えるプログラムのカリキュラム、コンテンツの中身、ファカルティの質、受講生の意欲、さらには僕らの情熱などのソフト面は決して負けません。グロービス・マネジメント・レビュー(GMR)も発刊されており、チエの発掘・発信機能は常に進化を遂げています。さらに、キャリアの提供機会やベンチャーキャピタルなどの現場知はふんだんに用意してあります。ただ、MBAプログラムは始まったばかりです。不満点も多いかと思いますが、ぜひ我慢せずに、不満点や要望をどしどし出していただきいたいと思っています。全ての要望が一朝一夕では解決しないかもしれないですが、長期的なスパンにわたっては、やるべきことは全てやろうと思っています。No.1のビジネススクールを共につくっていきましょう。
三つ目が、皆さんと一生涯の仲間として一緒に仲良くやっていきたい、ということです。せっかく縁があって、GDBAの一期生として集まってきたわけです。是非生涯にわたる仲間として仲良くやって欲しい、と思っています。皆、同じ志をもった「創造と変革の志士」です。僕の好きな言葉の一つに、「集団出世主義」という言葉があります。人生は、良いときもあるし、悪いときもあります。順調に行く人もいれば、苦難の道を歩む人もいます。GDBAの皆さんには、是非仲間を助け合って欲しいと思っています。
良い時には、うまくいっていない人を励まして、引き上げて欲しい、と思っています。僕も、今はある程度社会を見やすい立場にいます。当然皆さんには、最大限の良い機会を提供したいと思っています。是非、末永くお付き合いしたいと思っています。
本日、240年の伝統がある「玉ひで」で、GDBAの新たな歴史の第一歩が刻まれました。
これから、日本No.1さらにはアジアNo.1となるビジネススクールが生まれ育っていきます。
皆さんは、「創造と変革の志士」として、日本社会を担ってく立場になっていかれると思います。
これから、皆さんとはお長い付き合いになると思いますが、末永く宜しくお願いします。
(GDBA第一期生との第一回懇親会にて @人形町玉ひで)