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米国ビジネススクール歴訪スピーチツアー

投稿日:2001/12/07更新日:2019/09/05

米国に来るとコラムを書く意欲が沸きます。前回の01/06/03付けコラム「10th Year Reunion at HBS -HBS同窓会報告-」及び01/02/08付けコラム 「マイケルポーター教授とのディベート」も米国出張中に書いた。恐らく、時差ボケ で眠れない日があることも出張中にコラムが多くかけている一因だとも思う(笑)。

さて、今回の米国出張は、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、シカゴ、サ ンフランシスコの5都市を8日間で訪問するという結構ハードなスケジュールとなって いる。今は、サンフランシスコのホテルである。今回の出張を振り返る機会を振り返ることとした。今回の出張の主な目的は、以下であった。

1)ベンチャーキャピタル関連での投資家訪問(10社) 99/06/03付けコラム「長いロードを終えて・・」に書いたとおり、ApaxGlobisファ ンドの組成の際に、勇気を持ってグロービスに投資をしてくれた方々への現状報告である。9月11日の同時多発テロの一件以降米国のVC業界は冷え込んでいる。日本に関する英字新聞及び雑誌でのニュースは常にネガティブなものばかりである。米国 の投資家に現状を的確に理解してもらうために、ツアーを実施することとした(この点で感じたことは、次のコラム「米国ベンチャーキャピタルの失墜」を参照ください)。

2)各ビジネススクール(Wharton,Columbia,MITなど)でのスピーチである。 また、一方では、各ビジネススクールを訪問して、英語でスピーチを実施しようと思 う。先の「マイケルポーター教授とのディベート」と読んだのか或いは武勇伝を聞い たのか、最近米国でのスピーチの依頼が増えてきている。

今回の出張のそもそものきっかけは、Whartonでアジアン・ビジネス・コンフ ァレンスがあって、NTTドコモの立川社長がキーノートスピーカーとして話をする から是非来てくれと言われたことである。一旦引きうけたものの、9月11日の事件があり、その後アフガンで戦争が始まった。情勢を冷静に見極めながら、悩みに悩み結局来ることとした。「どうせ来るなら、全部回ってやれ」ということで、MITやコロンビアでのスピーチを実施することとした。

僕が1989年から2年間HBSにいる間にキャンパスに来た日本人スピーカーはた った二人であった。バブルの全盛時代に日本への関心が高いときでさえ、2年間でた った二人であった。そのうちの一人が、行天豊夫氏(元大蔵省財務官)。どうせ官僚のスピーチだからつまらないのだろうと思って参加してみたが、行天氏の英語力の高さ、堂々とした姿勢、そして質疑応答の受け応えのテキパキとした調子に深く仰天したものである(ちょっと寒いしゃれですね(笑))。行天氏の指を指しながら、”Y es、There”と言ってどんどん質問を処理する様子はとても印象的で今も良く覚えている。

その当時の僕の英語力では、到底あのようなスピーチはできまいと思って関心してい たが、僕も頑張ろうと思い始めた。何度も何度もロードショーを重ねてプレゼンテー ションを実施したり、トニーブレアとの朝食会に参加して積極的に発言したり、機会あるたびに英語でスピーチを下手でもいいから受けて実施することとした。何度も何度も自分が言ったコメントが妥当か、わかりやすかったかを自らに問いかけて、スピーチの態度や姿勢を自ら修正したり、声のトーンや内容も見なおし続けた。何とか英語で簡潔に話せるようになったとようやく自信を持ち始めるに到った。

僕が留学してた当時に比べて、今は日本のプレゼンスは地に落ちているのが現状であ る。毎年ビジネススクールへの日本人合格者を減らされている。AsianBusinessClub は、僕がHBSにいた当時はJapanBusinessClubの代名詞のように言われていたが、今では殆どが、日本以外のアジアが中心になっている。日本のケースも減り、たいがい失敗した駄目なケースとして取り扱われる様になってきた。

本日、会食をした学生は、「ビジネススクールでは、今日本がバカにされている」と 憤慨していた。どうもマイケルポーターの「Can Japan Compete?」の論文を根拠に、 意味の無いディスカッションが行われているらしい。その学生が言うには、アップルと日本を比較したり、GMと日本を比較して、その企業が凋落した理由と日本企業と比較して、日本の問題点を洗い出そうということらしい。しかし、GMと比較するならトヨタだと思うし、アップルと比較するなら東芝だと思うのに、なぜ日本を一般化して比較しようと考えるのかとても理解に苦しむ。その学生は、教授から何度も指されて日本に関して的確に反論できなかったと悔しがっていた。

僕は、この現状を考えると、日本の立場を正しく理解してもらうために、各ビジネス スクールでスピーチをしてこようと思っている。スピーチをすることによって、日本 の強い分野を説明し、日本の起業家精神が旺盛なこと、日本の企業が顕在なこと、日本の政治も良い方向に向かっていることを堂々と説明しようと思う。少なくとも僕から見た明るい面をどんどん話そうと思う。このスピーチをすることによって、日本人学生及びアジア人学生へのエールにもなるのであれば、是非やり続けよう。

今回、企画した学生から以下の通りのメイルをもらうととても嬉しいものである。

Whartonの学生より
「コンファレンスの運営に参加しつつ、日本のプレゼンスも高めていきたいと考えて いた我々にとっては、ご自身の成功体験に基き、日本の明るい面について語ることの 出来る堀さんをスピーカーとしてお招きできて、感謝の気持ちで一杯です。コンファ レンスの後、日本以外の参加者からも、とてもポジティブなコメントを受けました。 日本関係者は、懇親会でもお分かりのとおり、皆喜んでおりました。私自身、とても 前向きな刺激を受け、改めて色々考えさせられる気がします」。

MITの学生より
「本日堀様のPresentationにあった私の友人から、昨年 のHBSのAsiaBusinessConferenceでは十分にお話を聞けなかったが、昨日で堀様が現 在 なされていること及び日本でのVentureの現状について知ることができ本当によかっ た という声を多数聞くことができました。今までは日本とアメリカの距離の問題、我々 日本人の説明不足(理解不足かもしれません。。。)から十分に知らせることがで 日本人の説明不足(理解不足かもしれません。。。)から十分に知らせることができ なかったと思っております。昨日もお伝えいたしましたが、Presentationの参加者 なかったと思っております。昨日もお伝えいたしましたが、Presentationの参加者は 私が過去出席した中で最も多 い出席者であったと思います。Tom Copeland (Corporate Financeの第一人者)の Presentationの時以上の参加者であり、堀様のSpeechに対する関心の高さがひしひしと感じました」。

コロンビア大学の学生より
「コロンビア大学まで講演にお越しいただき、ありがとうございました。日本人学生、 米国/アジア人学生、ともに非常に面白かったと大好評でした。特にEarly Stage、Hands-Onという投資スタイルや米国と同じやり方では駄目だといったVCに 関わる話が興味深かったようです。我々JBA(Japan Business Association)としましてもビジネススクールの仲間に日本人経営者のお話を聞く機会 を設けてあげる事が出来、うれしく思っております」。

今回のツアーで、シカゴとサンフランシスコでのスピーチを企画しなかったのがちょ っと悔やまれる。今後は、ビジネススクールがある都市に行ったら欧州を含めて必ず スピーチをしてこよう。日本では、あまりスピーチをしないけど海外では体力が続く 限り実施し続けよう。もしかしたら来年は、InseadのあるフォンテンブローかLBSの あるロンドンからこのコラムを書いているかもしれない。そう思いつつ、ふと外を見ると、サンフランシスコの夜が明けてきていた。

 

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