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社員旅行を兼ねた家族旅行(その2)

投稿日:2004/08/11更新日:2019/08/26

トマムに着いた。駅舎が、アルファリゾート・トマムの入口を兼ねているような感じだ。その駅舎を降りるとリゾート内を巡回するバスが待っていた。広大な敷地に、ゴルフコース、スキー場、テニスコートなどが広がっている。コンセプトとしては5月に訪問したアルツ磐梯に似ている。ただ、ここの特徴は、巨大なツインタワーだ。緑の谷間に聳え立つように煉瓦造りのツインタワーが大小2組づつ並んでいた。会員制リゾートとして売り込んだこともあって、つくりはよくできている。

その大きなツインタワーの前にバスが止まり、チェックイン後、もう一方のタワーのエレベーターで35階まで昇った。東京を離れたリゾート地で高層ビルに泊まるのは、ちょっと不思議な感じだ。部屋でのんびりした後、夕方「海鮮市場」という北海道の海の幸食べ放題のレストランに向かった。

家族が増えて大変なことは、以下の3つだと思う。

(1):食事中の対応、お風呂入れ、そしておむつの処理・トイレへの付き添いなど、日々のルーチンワーク。
(2):更に、病気だ。普段、(1)のル-チンワークでもパンパンなのに、1人でも病気になると、その瞬間、一挙に僕にしわ寄せが来る。
(3):そして、違う年齢に合わせ、どうやって皆を楽しませるかが大変だ。例えば、長男は小学生だが、四男はまだ1歳だ。同じ遊びができるわけがない。1歳に合わせると7歳は不満を持つし、7歳に合わせると1歳はついていけない、ということで、どうしても全員で一緒の事をするのが難しいのだ。

今回の家族旅行では、(1)ルーチンワークをやりながらも、(2)三男が病気になってしまい、(3)4人の遊びをプロデュースしなければならないのだ。海外でアジアのリーダー達と会うと、「子供連れの旅行では、必ず家政婦やナニーを一緒に連れて行くよ。Yoshiたちもそうしたらいいじゃないか」、とアドバイスを受ける。しかし、日本は他のアジア各国と比べて人権費に差があるし、「家族での時間を楽しみたい。」という妻の希望もあるので、当然のことながら家族のみの旅行となる。

でも、四男のオムツ交換や、三男のうんちに付き添ったりしていると、『僕は、何をやっているんだろう。この作業を何年間やってきたんだろう』と考えさせられてしまう。4人も子供が産まれると、オムツ交換の手つきや、トイレの付き添いの対応も慣れたものだ。でも、美味しい食事を食べている最中に、「うんち」と来られると、悲しくなってくる。
会社の経営であれば、5-6年もの間、社長がルーチンワークを続けることは考えられないし、やってはいけないのだ。「そういう作業は、どんどん適切な人材を採用して、権限委譲していかなければならない。社長の仕事は、全体を考え、いい人材を採用して組織をつくり、そして考えていることを伝えることである」。なあんて、スピーチの時には格好つけて喋っている当の本人が、家の中ではオムツ交換を何年も続けているのだ。ちょっと情けない気持ちにもなることがある。

でも、これらはルーチンワークではなくて、子供との大切なコミュニケ-ションだ。と最近認識し始めている。今回も海鮮市場で、美味しいずわい蟹を食べている時に、三男の「うんち」が出たのだ。『悲しい・・せっかく美味しい蟹を食べている最中なのに』、と思いながら妻を見ると、四男に食べさせているのに精一杯の様子だ。仕方がないので蟹を置き、僕がトイレに連れて行った。便器の上でこじんまりしている三男が力みながらも、チラッと振り返り、僕の姿を確認してニコッと笑う。そして、それを3度も4度も繰り返していた。具合が悪い中で、彼なりに一生懸命なのだ。
お尻の処理をして、ズボンを履き、手を洗った後に、「良かったね。これでよくなるね」と声を掛け、思いっきり抱きしめてあげると、本当に嬉しそうに喜んでいた。そして、手をつなぎ、2人でテーブルに戻った。そして、僕は、何もなかったかのように、ずわい蟹と再度格闘するのだ。

翌日プールに行った時の事だ。最初は、僕と長男、次男の3人で泳ぎはじめた。この組合わせは安心だ。長男は7歳だし、次男は5歳だ。2人とも水泳のレッスンを受けているので、放っておいても安心できる。僕は、日経新聞を読む余裕すらあったのだ。UFJ銀行の合併の話題が中心だった。

その後、妻が、三男、四男を連れてプールにやってきた。妻は、「ネイルサロンの予約を入れているのでホテルに戻る」、と言う。旅行に来たときぐらいはのんびりしてもらいたいと思い、僕はニコやかに送り出す。だが、残された方は大変だ。一人で4人のギャング達の面倒を見ることになるのだ・・。

三男は、病上がりなのにプールに入ると言うし、四男も服を着たまま水辺に向かって歩き始めていた。三男を着替えさせて、四男には泳げるおむつを履かせて、一緒にプールに入った。ここのプールはよくできていて定期的に波が出る。三男、四男と一緒に波打ち際で戯れながら、長男、次男を遠めに監視する。適度に泳がせた後で、次は昼食だ。
食事中、テーブルの上は戦場と化す。僕は、誕生日席(議長席)に陣取り、4人が食べている様子を見張っている。四男のコップを抑えたり、三男に食べさせたり、次男のプレートの周りを拭いたりと動き回ることになる。たまに仁王立ちして、状況を確認する。『何だか、これもある意味、マネジメントをしてるのかな』、と思い始めてくるから不思議だ。

2時間ほど、男5人の時間を過ごした後で、妻が迎えにきた。そして、三男、四男を預け、引き続き長男、次男とでプールに残ることとなった。結局午前11時から午後4時半まで、5時間以上もプールで過ごした事になった。
部屋に戻り、昼寝をして、午後6時45分にパーティ会場に向かった。午後7時に時間厳守で行かなければならないのだ。一度、僕が冗談で言ったことがある。「1分でも遅刻すると、半額個人負担で、30分遅刻すると全額個人負担だ」、と。言い出しっぺの僕が遅れるわけには行かない。子供を担ぎながら、迎えのバス乗って、会場に向かった。
午後7時から予定通り、パーティが始まった。社員とゲストの家族は、それぞれのルートでトマムまで来ていた。総勢200名弱の大所帯だ。服装は、カジュアルだ。今年は、昨年と違い、浴衣やコスプレなどのドレスコードが無い。僕は、半ズボンにポロシャツという出で立ちだ。家族連れの方も大勢いて、会社で会うときと表情が全く違うので、何だかとても楽しくなってくる。

幹事である社員が扮するスパイダーマンの登場とともに、パーティーが始まった。僕が、冒頭に乾杯の音頭をとった。「今年でグロービスは12周年を迎える。僕は、12年前の7月31日に、住友商事を退職した。そして翌日から僕にとって、そしてグロービスにとってのベンチャーが始まったのだ。その当事は、まだ事務所も無くアパートの一室を使っていた。しかし今では、ここまで成長できた。皆さんに感謝している。今後も皆と一緒になって、グロービスを更に発展させていきましょう。乾杯!」、という感じだ。

パーティーでは、なるべく多くの参加者と話をした。皆、それぞれのルートで、それぞれの遊びをしてきていた。テニスやゴルフ、プールやお散歩、牧場や札幌での市内観光、ラフティングやフライフィッシングなど様々だ。パーティーの途中で、アルファリゾート・トマムのオーナーである星野社長もかけつけてくれて、歓迎のスピーチをしてくれた。
今日のメニューは、美味しそうな、たらば蟹とずわい蟹だった。各テーブルを一通り回って挨拶し、プレジデントアワード(社長表彰)の授与の式典が終わった後、僕はパーティそっちのけで蟹との格闘に没頭した。今晩は、「うんち」がでなかったので、ゆっくりと蟹を堪能できた。

パーティがお開きとなり、タワーに戻った。楽しかった2時間強の「社員旅行」は、これで終わりだ。明日からは、サホロで三泊の家族旅行だ。どのような『風景』を引き続き体験できるのか、楽しみである。

アルファリゾート・トマムにて

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