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楽しい囲碁サークル

投稿日:2004/06/22更新日:2019/08/26

先週末、甲斐の温泉旅館へ、囲碁合宿に行ってきた。

家族には、三ヶ月以上も前から囲碁合宿参加の了解を得ているのだが、実は、かなり不評である。しかし、この囲碁の趣味だけはやめられないでいる。毎週水曜の夜開催している囲碁サークル。発足以来、東京にいれば必ず参加している。それだけこの囲碁サークルが楽しいのである。

僕は、40歳になる直前に囲碁を始めた(経緯は、コラム「囲碁と経営」その1を参照いただきたい)。
囲碁の魅力にハマりつつも、ひとつだけ違和感を感じていたことがあった。それは、囲碁大会など、様々な会合に参加してきたが、参加者は60代以上の方が主流であり、大多数を占めているという点である。合宿の案内も来るが、聞いたところによると、やはり年配の方の参加が大多数を占めているという。

囲碁を打っている時や、囲碁の会話をしている時は、年齢に関係なく楽しいし、実際に参加した会合でも、僕は楽しめている。しかし、日本は、年功序列社会である。どうしても気を遣ってしまうのだ。『気を遣わないでも囲碁を楽しめる方法はないだろうか・・』、と考えはじめた。

そこで思いついたのが、「全く新しいコンセプトの囲碁サークルを作ろう」、ということであった。

約1年前、発起人となり、コンセプトを練りはじめた。先ずは、ネーミングである。通っているサロンは、半蔵門のダイヤモンドホテル内にあったので、ズバリそのまま「ダイヤモンド囲碁サロン」と名づけられていた。

しかし、困ったことに、僕のスケジュール表には、「ダイヤモンド囲碁サロン」とは、書けないのだ。なぜならば、文字数が多い上に、囲碁を打っているということが、一目瞭然。(ちなみに、グロービスのスケジュール表は全員オープンになっている。誰でも僕のスケジュールを見ることができるのである)。

そこで、「ダイヤモンド囲碁サロン」を略して、「DIS」とした。「DIS」であればスケジュール表に書いても、囲碁を打っているとは思われない。もしかしたら、投資先との会合かもしれない、と勘違いしてくれるかもしれない(コラムに書いてしまっているので、今後はバレバレではあるが・・・)。

ネーミングの次は、コンセプトだ。以下のとおり、考えてみた。
・ 20-50才までを原則とする(精神年齢が若ければ、それ以上でも可)。つまり、同世代で気を遣わない人たちと打ちたい。 
・ 水曜日の夕方6時ごろから始まり、時には夜中まで続けられることとする。つまり、残業後や会食後でも参加できるようにしよう。 
・ 夜10時以降には、ビール、ワイン、シャンパンが飲めることとする。まさに、サークル的な楽しいノリができるのである。 
・ そして、女性比率を30%以上とする。どうせならば女性がいたほうが、サロンが明るくなる。男性ばかりだと「景色」が綺麗じゃない。

こうすれば、皆水曜の夜に集まるであろう、と思った。
そして、このコンセプトに従い、仲間を集めることにした。ところが、早速壁にぶつかった。20-40代という年齢層は、もっとも囲碁人口が少ない端境期にあたるので、囲碁の愛好家は、決して多くない。20才未満の若い世代は、漫画「ヒカルの碁」(集英社)の影響で、近年囲碁人口が増加している。そして、60代以上の世代は、子供の頃から囲碁に親しんでいる。一方、20-40代の世代は、どちらかというと麻雀か将棋である。そこで、仲間集めの活動を大々的にすることにした。

最初の企画は、『経営と囲碁を語る会』と称した無料セミナーである。日本棋院の藤沢一就(かずなり)理事に毎回参加いただき、司会進行は、囲碁界のマドンナである稲葉禄子女史だ。これは、囲碁ファンにとって見逃せないスーパースターの共演である。しかしながら、囲碁ファン以外では、ほとんど知られていない。そこで、僕が‘経営’と‘囲碁’の関係性を語ることとした。つまり、ビジネススクール経営者のはしくれである僕が、全くの初心者から囲碁を始め、そして現在に至るまでの苦労話をする事によって、多くのビジネスパーソンに囲碁に関心を持ってもらおう、という構想で進めることにした。

グロービスの教室を無料開放し、参加費も無料にした。藤沢理事と僕のスピーチの後、稲葉女史を含む女流囲碁インストラクターの無料講習つきという嬉しいおまけもつけた。そして最後は、DISでの懇親会である。主に20-40代をターゲットにして3回実施した。パブリシティやウェブを使った宣伝活動も積極的に実施した。

そして、徐々に仲間が集い始めた。しかし、3回実施したが、どうしても女性会員が目標の30%に達しない。そこで、主に女性を対象とした『経営と囲碁を語る会』を開催する事にした。

妻からは、「なんで囲碁を打つのに女性比率が関係あるの?」という鋭い突込みを受けたことがある。僕は、即座にこう答えた。

「DISは、囲碁を打つだけでなく、人間的な交流をはかる楽しいサークルと位置付けている。囲碁を打つだけであれば、インターネットや、碁会所で年配の方々と打っていても良いわけだが、それだけでは物足りない。だからこそ同世代の女性を含めた若手のメンバーが打つ楽しい会にしようというコンセプトでつくったのだ。男性ばかりであれば、普通の碁会所の延長線だ。新しいコンセプトのサークルをつくるためには、女性メンバーが必要なのだ。決してやましいことは無い」
という具合に、発起人代表として、もっともらしく(苦し紛れに・・)力説したことがあった。

そうこうするうちに女性会員も集まり始めた。しかし女性は、初心者が多く、すぐにやめてしまう可能性があった。そこで、「初心者デー」を設け、男性会員が、手取り足取り一から囲碁を教えるという企画を実施した結果、なんとか継続的に参加してもらえるようになってきた。

そして、サークルの体裁も整ってきたので、リーグ戦を始めることにした。初段以上が参加する「有段者リーグ」と、初心者から一級までが参加する「級位者リーグ」に分かれ、3ヶ月単位で「DISカップ」争奪戦を始めた。ある一定の勝率を上げると昇格し、逆にある一定以上負けると降格することにした。相撲の番付みたいなものだ。僕は、リーグ戦発足以来、残念ながら、優勝も昇降格もしていない。

今年の目標は、昇段だ。6月から始まっている今季リーグでは、早くも3勝4敗の負け越し中。これでは、昇段できないので、9月から始まるリーグに昇段をかけることにした。頑張らねば。

このサークルでは、定期的に囲碁合宿を行っている。目標は、年2回の合宿開催だ。そのうちの1回は、家族も同伴して軽井沢で行う。我が家の山小屋が、その日だけは、碁会所に変身する。バルコニーにも囲碁盤を並べる。リビングルームを使った特設会場では、子供向けの囲碁スクールも開催される。奥様方は、軽井沢ショッピングセンターへ買物に行ったりしている。僕は、ホスト役なので、その日は駆けずり回り、庭では、子供の遊び相手をしたりもする。サークル会員のご家族の方々に囲碁を認知してもらうための必死のサービスだ。そして、夜はBBQパーティをする。

そして、もう1回実施する囲碁合宿には、会員のみが参加する。昨年は箱根で実施した。今年は、冒頭でも述べたとおり、甲斐の温泉旅館で行われ、先週末参加してきた香港・上海の二泊三日の出張を終えたばかりだし、ソウルへの出張も控えた貴重な週末だ。家族が不満を言うのも納得ができる。
しかし、こういった事情があるサークルの合宿なので、どうしても参加したかったのだ。

先にも書いた通り、僕が囲碁を始めたのは、2年ほど前の事である。経緯を綴ったコラム「囲碁と経営 その1」では最後、以下の通り結んでいる。

「では、囲碁がなぜそんなに面白いのか。なぜ僕がはまってしまったのか、また囲碁と経営の関係性は何か。これらに関しては、次のコラムで書いてみたいと思う。囲碁にご興味が無い方も是非次のコラムもお付き合いくださいm(__)m」。

このコラムを書いてから、1年半以上も囲碁に関してのコラムを書かないでいる。ご年配の囲碁ファンの方からは、「囲碁と経営 その2は、まだ書かないのですか?」とわざわざお電話を頂いたことがあった。皆さん(囲碁ファンだけかも?)の期待に応えるべく、近いうちに「囲碁と経営その2」を書きたいと思う。

自宅にて

【ご案内】
次回の『経営と囲碁を語る会』は、2004年9月3日(金)19:00より
グロービス東京オフィスにて開催予定です。

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