さぁて、今からダボスを出る。問題は、交通手段だ。直近の過去2回は、ヘリコプターをチャーターした。『サウンド・オブ・ミュージック』のオープニングのアングルで、白いアルプスを空から見下ろした。その前は、ずっと電車だ。「世界の車窓」みたいな光景が続き、美しい。バスは、一度も使ってない。
ダボスからチューリッヒ空港への帰路は、悩んだ末、結局電車を使うことにした。二回乗り換えがあるし、その都度寒い思いをするけれど、「世界の車窓」の風景を見ながらのんびりと帰ることにした。部屋でパッキングをする。ダボスで5泊。やり切ったという充実感で一杯だ。部屋で一人振り返った。
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今回のダボスで、僕自身のプロファイルが少し上がったことを実感できた。グロービス・ナイト、WSJでの広告、GGC(世界の成長企業)での共同議長役、GAC(評議会)での役割。さらに、様々なセッションでの登壇などがあったからだ。様々な新たな有意義な出会いがあり、世界のリーダーとの旧交も深まった。
世界では、積極性がとても重要になる。遠慮していてはダメなのだ。紳士的に積極的に出る必要がある。可能な限り発言し、声をかけ、挨拶をし、名刺を渡す。そのプロセスを通して、仲間や友達をつくるのだ。仲間ができると、発言にも同調してもらえるし、重要な役割も与えられる。その地道な繰り返しが重要だ。
そして、帰国後もマメにコンタクトをするのだ。初めて会ったらまず、僕が記事掲載されたフォーブス、WSJなどを郵送する。震災後の僕の"Email from Japan"は、未だに多くの人の脳裏に刻まれているようだ。またクリスマスカードも家族の写真を入れているので、よくコメントされる。
そうすると、世界に友達ができ、「グロービス・ナイト」を初めて開催したとしても、300名近くの要人が来てくれる様になる。来れなかった方も、僕を見つけると、「行けなくて申し訳ない」とわざわざ伝えに来てくれるのだ。そのプロセスを通して、友達が増え、関係が深まり、世界における存在感が高まるのだ。
今回、このネットワークに加えて、僕がビックリしたのが、ツイッターやFBでの反応だ。
なんと!ダボス会議にて、ツイート量、リツイートの数ともトップ5に入ったのだ。特にリツイートの数では、僕が負けているのはマレーシアの首相のみ。写真に収められなかったですが、瞬間風速的には一位になったらしい。凄い!
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まさか僕が、実質的にダボス会議一番の発信者だとは、思わなかった。もう少し、英語で呟いた方が良かったのかもしれないが、まぁ、上出来でしょう。これからも発信をガンガンにしていこうと思う。
ダボス駅にて、ライフネット生命の岩瀬大輔さんにバッタリ会う。駅にてパチリ。
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帰路は、官邸の加治さんも一緒だった。「世界の車窓から」の風景を楽しみながら、ダボス会議を総括した。今年のダボス会議では、日本への関心は、今までに無いほど高かった。地政学上の一番関心事は、日中関係だった。マクロ経済学関係の一番の注目は、アベノミクスだ。他には、エネルギー問題、高齢化等、日本抜きでは語れない分野が多かった。
中国の存在感は、あまり高くなかった。一時期の「未知の国」に対する関心が薄れ、かなり消化しつくされた気がする。中国単体よりも、日中関係、さらには「南方週末」の言論統制問題、さらには北京の公害問題など、中国に関してはあまりポジティブな話題にならなくなってきた気がする。
今回、僕が一番感じたのは、「革命的な変化が、静かに進行している」と言う事だ。特に、ネットの力が増し、民衆の力が増大し、リーダーのあり方も変わり、数百年不変であった大学教育さえも変わる兆しが見えてきた。ただ、多くのリーダーは、それに気づいておらず、「何かが変わりつつある」という程度の認識である気がした。
今年のダボス会議は、ユーロ問題が一段落したから、多少は楽観論が支配していた気がする。だが、世界が直面する課題はまだまだ大きい。早速来年のダボス会議への招待状が来たので、即座にオンラインで申し込みをした。
来年のダボス会議には、更に成長して参加したいと強く思った。ふと車窓から外を見ると、刻々と風景が変わっている様を楽しめた。
「世界の車窓」から、その1。銀世界。ダボスを出たばかりの景色。
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「世界の車窓」から、その2。湖と荒々しい山の景色。
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「世界の車窓」からその3。緑が顔を出してきた。水と山と。
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「世界の車窓」からその4。空港編。
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これにて、ダボス会議の報告を終える。僕は、その足でロンドンへと飛び立っていた。まだまだ、僕の旅は続く。
2013年1月30日
一番町の自宅にて執筆
堀義人