カスタマー・ソリューション(Customer solution)
アーノルド・C・ハックスとディーン・L・ワイルド2世が提唱した戦略オプションの1つ。デルタ・モデルの重要な部分を占めるもので、より幅広い製品やサービスを提供することにより、顧客ニーズを満たそうとする戦略オプションである。
この戦略の鍵は、プロダクトのエコノミクスよりも顧客のエコノミクスに主眼を置く点である。企業は特定の顧客ニーズに敏感になることで、それに合わせてカスタマイズした幅広い品揃えの製品・サービスを提供する。それによって顧客満足度を高め、リピート需要や他製品の購買を促すことを狙う。
顧客と密に接することにより顧客とのリレーションを築いた企業は、顧客と互いに学習を深めることで、新しいニーズを見出したり、顧客と共同で新製品を開発したりすることも容易になる。こうした学習が深まると、顧客は容易に他の企業に乗り換えるということをしなくなり、スイッチングコストが高まることになる。この戦略を実行している典型的な企業としてデータストレージ製品を扱うEMCがある。