ベスト・プロダクト(Best product)
アーノルド・C・ハックスとディーン・L・ワイルド2世が提唱した戦略オプションの1つ。デルタ・モデルの重要な部分を占める。低コストまたは差別化ポジションをとることで最高の製品・サービスを提供することを戦略の主眼とする。マイケル・ポーター教授の言うコストリーダーシップ戦略と差別化戦略のいずれかを製品・サービスレベルで実現し、競合に対して最も有利な立場に立とうとするものだ。
この戦略の鍵となるのは、あくまで製品・サービスそのものである。コストリーダーシップを握るためには、規模の経済や経験曲線につながる市場シェアの拡大、製品・プロセスの単純化を追求する。
顧客に意味のある付加価値を模索し差別化を図る企業も多い。差別化は、技術、ブランドイメージ、追加機能、サービス等を通じて実現できる。
ベスト・プロダクト戦略を選択した企業は、自社の製品・サービス固有の優位性を通じて、顧客との良い関係性を構築する。そのためには、いち早く製品を発表し、真っ先に市場に導入、ドミナント・デザイン(支配的な製品仕様)を確立することが重要だ。