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ROIC(投下資本利益率)とは?投資とリターンの関係をはかる

投稿日:2014/11/25更新日:2019/04/09

ROIC(Returnoninvestedcapital)

企業が投下した資本に対して本業でどれだけのリターンを生み出せたかを示す指標。日本語では通常、投下資本利益率という。日本ではファイナンスに関するリテラシーの高まりとともに、特に今世紀に入って注目を浴びるようになってきた。

ここで分母は、ΣI(ただし、Iはネット投資=(投資−減価償却費)+Δ運転資本)となり、企業が誕生してからのネット投資(固定資産や在庫等への投資)の総和となる。

この分母をB/Sの右側(貸方)からみると、有利子負債(D)+株主資本(E)となる。すなわち、買掛金などのコストがかからない負債を除いた、コストのかかる資金調達額の合計となる。これをCapitalemployed(CE)、日本語では使用(総)資本と呼ぶ。

ICとCEは一致するため、ROIC(投下資本利益率)=ROCE(使用資本利益率)となる。ROICはP/Lの数字とB/Sの数字を用いており、収益性と効率性を合わせ持つ指標といえる。

分子として用いるのは、NOPAT(Netoperatingprofitaftertax)もしくはNOPLAT(Netoperatingprofitlessadjustedtaxes)が多い。いずれも株主と債権者に属する利益であり、それゆえROICは、株主と債権者から投資した資本をもとに、どれだけ彼らに帰属する利益を残せたかという指標といえる。財務会計よりもファイナンス的な発想の指標であり、総資産額を分子とするROAなどとは対照的である。

ROICの分子の利益として、営業利益やEBIT(Earningbeforeinterestandtax)、税引後純利益などを用いる日本企業は多い。ROICの分子として何を用いているかについては要注意である。

なお、ROI(Returnoninvestment’投資利益率)もROIC同様、投下資本利益率と呼ばれることがある。しかし、ROICが全社的視点から企業価値向上に関連して使われるのに対し、ROIは個別投資案件に使用されることが多く、また、「広告のROI」といったように、さらに狭い範囲で用いられることもある。

ただし、ROIをROICの意味で用いるケースもあり、また、分子として用いる利益もまちまちであり、前提や文脈を正しく把握することが重要である。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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