社会的証明(SocialProof)
社会学者のロバート・チャルディーニが示した影響力の原理のうちの1つ。多くの人が支持、あるいは行動する考え方、ないしはやり方を、安全で安心と考える人間の傾向を指す。
社会的証明を示す実験として有名なものに、スタンレー・ミルグラムらが行った実験がある。1人のスタッフが雑踏で立ち止まり、60秒間、空を眺め続ける。ほとんどの通行人は彼のことを気にも留めず、避けて通っていく。次に、空を眺めるスタッフの人数を4人に増やす。すると、一緒に空を見上げる通行人の数は4倍以上に激増したのである。
社会的証明は、ある状況下で他者の判断・行動に基づいて自身の判断・行動を決める人間の性向とも言える。特に自分が確信を持てないときなどに有効である。たとえば、飲食店に長い行列ができている場合、多くの人が並んでまで入店しようとしているということは良い店なのだろうと無意識に判断するなどだ。
社会的証明は悪徳商法にも応用される。たとえば、自分では判断がつかない高価な絵画があったとして、その作家の絵画を他にも買っていく人(もちろん店が用意したサクラ)がたくさんいるのを目にすると、人気のある画家だと判断してしまう可能性が高まる。