公式の力(Positionpower)
公式の力は、強制力、報酬力、正当権力、情報力の4つを源泉とする。
強制力とは人の配置や降格させる権限、報酬力とは人を昇進・昇給させる権限である。この強制力と報酬力を含む組織上の権限を正当権力という。さらに情報力とは人事情報など限られた情報へアクセスし、コントロールする力をいう。
「公式の力」は、人間の合理的な判断のみならず、感情面での判断にも働きかける。たとえば、絶大な権限を握る経営幹部の決定に(本音は違ったとしても)誰もが反対できないのは「公式の力」に対する恐怖の感情と、追従することで得られる利益(合理的判断)を背景とする。
公式の力があれば、人・組織を動かすのが容易に思われるが、そうではない場合も多い。たとえば新任管理職は、管理職としての権限を持っているものの、自らの権限で動かそうにも組織や部下の抵抗に阻まれ、上手く人・組織を動かせないことがある。