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MBA経営辞書「技術ポートフォリオ・マネジメント」

投稿日:2014/06/30更新日:2019/04/09

技術ポートフォリオ・マネジメント(TechnologyPortfolioManagement)

技術経営において、技術のポートフォリオを組むことで、リスク・リターンの最適化を図る手法。

製造業においては、PPMのような汎用的な事業・製品ポートフォリオのみで企業経営を判断することは危険である。各製品、事業が技術を通じて密接に関連しており、一つの事業を止めることが、他の事業に著しくマイナスの影響を与えることがあるからである。また、市場成長率やシェアを軸にとったポートフォリオ分析では、技術のポテンシャルが未知数のステージにおいて有望な技術への投資を躊躇させてしまうという事情も挙げられる。

技術ポートフォリオ・マネジメントでは、PPMほど敷衍したフレームワークは存在しないが、短中長期的な経営判断に応用するための一定の手法は存在する。たとえば、その技術がどの程度自社にとって「重要か」、そして他社技術に対して「強いか」という視点で評価する方法である。

こうした分析は、自社技術の健全性を評価するだけでなく、投資判断のガイドラインとしても活用することが可能である。

強くて重要な技術は、引き続き投資を行い、競争優位性を築くと同時に、より幅広い事業への展開を検討する。強くて重要でないものは、投資を抑えつつ、他社へのライセンスなど収穫化を狙う。弱いが重要なものは、自社で大きく投資をして強いものへと育て上げるか、M&Aやライセンシングなどを通じた強化を図る。弱くて重要でないものについては、投資を止めるか、他社への譲渡なども検討する。

他にも、長期的技術投資、中期的技術投資、短期的技術投資のバランスを適切にとるなど、技術ポートフィリオ・マネジメントの応用範囲は広い。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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