ダーウィンの海(Darwin's sea)
ダーウィンの海とは、製造業において、量産化あるいは事業化から、最終的に事業を利益化して市場地位を築くうえで越えなければいけない壁の俗称。
市場投入された後の売上げ拡大については、市場の様々な競合製品やサービスと競争し、優位に立たなければならない。当然ながら、仮に死の谷を越えたとしても、すべての製品が競争優位に立つことは難しく、この段階でも多くの製品が収益化にいたらず淘汰される。
たとえばパナソニックは10年以上にわたりプラズマディスプレイやプラズマテレビ事業を行ってきたが、液晶ディスプレイや液晶テレビとの競争に敗れ、多額の累積赤字を残し撤退した。
なお、製品そのものが成功しなくても、要素技術を他の製品に転用して次の成功を模索することは可能である。ソニーのβ方式のビデオデッキに用いられた技術などがその例だ。製品や事業の失敗がそのまま技術開発の失敗とは限らないのである。