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MBA経営辞書「死の谷」

投稿日:2014/04/28更新日:2019/04/09

死の谷(Deathvalley)

死の谷とは、製造業において、製品開発(Development)から量産化、事業化へとプロセスを進めるうえで越えなければいけない壁の俗称。なお広義には、魔の川も含めて、研究開発が事業化にいたらないという広い範囲を想定して死の谷と呼ぶこともある。

基礎研究で一定のめどが立ち、次の開発(応用研究)段階に移ると、開発部門(通常は事業部所属)のメンバーが加わり、プロジェクトの人員が増強される。また、生産部門やマーケティング部門との協働も始まり、量産化や販売の視点から製品に対してフィードバックが行われる。明確に市場性が見込まれる場合には、この段階で試作品がつくられ、様々なマーケティングリサーチによって市場・顧客の反応を確認し、製品の修正が繰り返される。

この段階まで進んでいても、様々な調査の結果、事業性が小さい、量産化のめどが立たない(量産技術を確立することが困難であるというケースもあるが、通常は事業性の小ささによる)などと判断されれば、そこから先へ進めることはできない。

事業性が見込めなくなる理由としては、製品が機能や品質に関する課題をクリアできない、あるいは採算性や競争力がないと判断される場合だけでなく、代替技術の進化によって顧客ニーズが変化し、市場そのものが消失してしまうなどのケースがある。代替技術や競合の動きは外部環境ゆえにコントロールすることが難しい。そのため、初期段階から市場投入までの期間をできる限り短くすることが重要となる。

新規開発された多くの製品は、この段階で消えてしまう。基礎研究にかかるコストに比べ、量産化や市場投入に関するコストは桁が違い(業界にもよるが、数十億円から数百億円に上ることもある)、それゆえ成功確率が高くないと経営陣を納得させられないというのが大きな理由である。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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