マーケティング3.0(Marketing3.0)
マーケティング2.0の限界を超えるものとして提示された新しいマーケティングのあり方。2010年に上梓された『マーケティング3.0』においてコトラー等が提唱した。
マーケティング3.0では、単純な企業対顧客の枠を超え、世界をより充実した場所にすることなどを念頭に、顧客に対して機能的価値や従来型の感情的価値を超えた、より高次の精神的価値を提供することを目指す。また、企業が一方的に顧客に何かを提示するのではなく、信頼や相互依存をベースに、顧客との共創により、新しい価値を生み出していくことを主眼とする。ブランドも、より精神的な比重を高めつつ、企業だけのものではなく、顧客とシェアするものになると考える。
こうした考え方が生まれてきた背景には、ITの進化によって企業と顧客がつながりやすくなってきたことや、特に先進国において、エコロジーや貧困撲滅などのCSR的価値観がより重視されるようになってきたことなどがある。ただし、マーケティング3.0は現段階ではまだ仮説であり、本当にそれが効果的なものなのかの検証はこれからの課題である。