資産特殊性(Assetspecificity)
取引コストに影響する要素の1つ。取引する製品やその生産・販売に必要な人的・物的資産、例えば立地や製造設備、専門家、ブランド名などが容易に代替できない価値を持つほど、それに関連する取引コストが高まることが知られている。これは、情報探索の失敗や契約の不履行といったリスクがコストに転嫁されるためである。
たとえば、サービス業において好立地の不動産情報は非常に大きな意味を持つが、往々にして不動産業者が本当のことを伝えるとは限らず、本当に好立地の情報を得るには大きなコストがかかる。あるいは、ある特殊技術を持った人材のスキルが事後でないとなかなか評価できない場合、情報検索の失敗のリスクは大きくなり、コストは増す。