小売の輪(Wheelofretailing)
マルコム・マクネアによって提唱された小売業者の業態進化理論。イノベーションのジレンマに似た構造を持つ。
この理論によれば、当初はディスカウンターとして登場し、市場を奪ったプレーヤーも、競争相手が生まれ、価格競争が激化するにつれて、価格以外の要素で勝負しようとするようになる(幅広い品揃え、店舗設備や接客の高度化など)。結果として価格は上がり、もはやディスカウンターとはいえないような状況に陥ったとき、設備や人員などを切り詰めた新しいディスカウンターが登場し、低価格小売の業界で大きく躍進するのである。
日本ではかつて「価格破壊」を謳いながらも徐々に新たなディスカウンターに市場を奪われていったダイエーなどがこの理論で説明できる。