消費者物価指数(Consumerpriceindex)
消費者物価指数(CPI)は、ある時点の世帯の消費構造を基準にして、それと同等の商品(財やサービス)を購入した場合に要する費用がどのように変化するかを示したもので、総務省統計局が調査・発表している。具体的には、消費者が購入する商品を596品目に区分し(これに加え、帰属家賃が4品目ある)、品目ごとに支出額に基づくウェイト(消費支出に占める割合)を計算し、各品目の価格を調査している。このときの基準価格には、全国167市町村のうち、総務省が設定した価格調査地区で実際に販売されている平常の小売価格が用いられる。基準年の指数を100として変動をあらわし、5年ごとに基準時点が改定される。
消費者物価指数は、政府や企業が景気判断に利用するほか、年金スライドに活用する、企業が賃金レベルを決める際の参考資料とするなど、様々な用途に用いられる。消費者物価指数が上昇する場合はインフレーション、下落する場合はデフレーションと呼ばれる。一般には穏やかなインフレの状態が経済的には健全とみなされることが多い。
消費者物価指数を見る際の注意としては、景気と大きく連動する地価がダイレクトに反映されているわけではないので、時として消費者の物価意識と乖離があることなどが挙げられる。
消費者物価指数には、総合指標を加工したバリエーションもある。天候に左右されやすい生鮮食品を除いたものを「コア指数」、さらにエネルギー(石油やガスなど)を除いたものを「コアコア指数」と呼ぶ。
同様に物価指数を示す指標として企業物価指数(CGPI)がある。かつては卸売物価指数(WPI)と呼ばれていた。これは、企業間で取引される商品の価格水準を示す指標で、日本銀行から毎月発表されるものである。2002年12月から、指数採用品目数の大幅な見直し等があったことなども踏まえ、名称が変更された。
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。