重回帰分析(Multipleregressionanalysis)
2つ以上の説明変数により、従属変数を説明しようとするもの。アカデミックな論文などで変数の関係性を説明するために多用され、ビジネスの現場では店舗の出店政策やテーマパークの入場者予測などに用いられる。なお、一次式のみからなる重回帰分析は、正式には重線形回帰分析(Multiplelinearregressionanalysis)と呼ばれる。
y=a1x1+a2x2+a3x3+_+akxk+b
重回帰分析もエクセルの分析ツール、「回帰」を用いると簡単に計算ができる。その際、見るべきポイントとしては、重決定R2、補正R2、P値などがある。
重決定R2は、一般には「決定係数」と呼ばれ、回帰式全体の精度、説明力を示す。決定係数を%で考えると、説明変数が目的変数の何%程度を説明しているのかと読み替えることができる。当然、単回帰分析に比べると、重決定R2は大きくなり、説明力はアップする。
補正R2は、一般には「自由度調整済み決定係数」と呼ばれる。説明変数の数が増えるほど、重決定R2と補正R2の乖離は大きくなるが、基になるサンプル数が十分に大きければ、それほど気にする必要はない場合が多い。
P値は、各変数に対して計算される数値で、変数ひとつひとつが統計的に意味があるかどうかを教えてくれる。この値は危険率とも言われ、ゼロに近いほどよく、大きい値であればその説明変数は採用しないほうがよいとされる。一般に、P値を%表示した時に、有意水準(予め決めた起こりにくさの目安。通常5%もしくは10%)よりも大きいときには、説明変数には採用しない方がよいとされる。
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