インベンション(Invention)
いわゆる発明のこと。技術経営などではイノベーションと対比されて用いられることが多い。
イノベーションが社会的に強いインパクトを与える革新性を含意するのに対し、インベンションは純粋に新しい事象や物質の発見を指すことが多い。ただし、これはインベンションが社会的なインパクトと無縁ということではなく、その影響が間接的で時間がかかりやすいことと関連している。
たとえば、DNAの塩基配列の解析技術は、当時は純粋な発明(後にノーベル賞が与えられた)であったが、その技術が進化し、容疑者の特定や遺伝子組み換えなどに応用されるなどして多くの人間の社会活動にインパクトを与えるまでには少なからぬ時間を要している。
インベンションはまた、自然科学的、工学的な発見に対して用いられることが多いが、社会科学などの分野でコンセプトを新しくつくった場合もインベンションという場合がある。
インベンションの源泉は科学者の興味であることが多いが、偶然に何かが発明されることもある。「ポストイット」に結びついた3Mの接着力の弱い糊などがその例だ。
インベンションは、それが将来的に役に立つと考えられる場合、特許で権利を保護される場合が多い。ただし、特許には有効期限があるため、その期間内に事業化してキャッシュを得ることが重要となる。
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