成熟期(maturitystage)
プロダクトライフサイクル理論における市場の停滞段階。
ある時点で、市場というパイをできるだけ大きなものにする作業は終わり、企業は自社の取り分を最大化しようとし始める。この段階になると、業界構造は固定化し、少数の企業が大部分の市場シェアを獲得している。
これらリーディング企業の目標は、市場シェアを維持し、可能であればこれを拡大することとなる。そのために、低価格政策によって販売量の拡大を図る戦略がしばしば用いられる。
また、流通チャネルや顧客グループを守るため、サービスや価格を武器として競合の攻撃を防ごうとする。
リーディング企業にとって困るのは、競合あるいは新規参入者が、自社の製品・サービスを陳腐化させてしまうようなものを開発した場合である。
リーディング企業とは対照的に、小規模な下位企業は生き残ることが第一目標になる。多くの場合、彼らは特定の市場セグメント(その企業が独自の強みを発揮でき、かつ必要とされる経営資源がそれほど大きくないセグメント)をターゲットとして定め、そこに集中するようになる。
なお、成熟市場と思われていた市場が、何らかのきっかけでさらに成長するケースもある。安易に「成熟期だからもう伸びない」と決め付けるのではなく、成長の伸び代がないかを模索するマインドを持つことも重要である。
この段階をすぎると衰退期となり、一部企業を除き、搾り取り戦略か撤退を余儀なくされる。
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