成長期(growthstage)
プロダクトライフサイクル理論における市場の成長段階。
新製品が徐々に浸透してくると、買い手は、購入の仕方や製品の使用方法に関して知恵をつけてくる。成長期の初期の核となる顧客層をアーリーアダプターもしくはオピニオンリーダーという。
彼らはイノベーターほど新しもの好きではないが、市場の潮流に敏感で、イノベーターを観察しつつ、自ら様々な情報を収集し意思決定を行う聡明な顧客である。他の顧客への波及効果も大きい。
こうして市場が広がり、製品・サービスが認知されると、次にアーリーマジョリティ(アーリーフォロワー)と呼ばれる、平均よりは早く製品・サービスを需要する顧客層が市場成長の原動力となっていく。
成長期では、市場セグメントごとのニーズに合わせた製品が求められるようになる。そのため、製品の拡張、つまり特定の市場セグメントのニーズに合わせて製品ラインを拡大する場合が多い。
また、売り手としては、差別化を図ったり、自社の製品を競合製品とは違うものだと認識したりするよう、買い手を教育する必要性がある。
SNSなどフィードバック効果が働き「一人勝ち」が起きやすい業界では、とにかくユーザーを増やして利便性を高め、成長期にナンバーワンになることが競争上極めて重要である。
なお、ハイテク分野では、アーリーアダプターとアーリーマジョリティとの間には容易に超えられない大きな溝、キャズムが存在する場合も多い(典型的なS字カーブでは、キャズムは潜在市場全体の16%程度のところに現れるとされる)。キャズムを超えるマーケティング上の工夫が要求される。
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グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約800語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。