単一争点交渉(Single-issueNegotiation)
交渉の形態の一種で、争点(それをめぐって交渉するポイント)が1つしか存在しない交渉。店頭での値引き交渉などが典型的。単純な交渉に多い形態である。
単一争点交渉は、一方の勝ち(得)が一方の負け(損)というゼロサムゲームが基本である。たとえば単純な価格交渉は、一方が3万円の得をすれば、一方は3万円の損をする。一定のパイを取り合う交渉と言い換えることもできる。
単一争点交渉は、交渉者がお互いに、自分の立場は守り相手の譲歩を要求してぶつかりあう「ハード型」と、自分はなるべく譲歩し相手によい思いをさせ、人間関係の維持と合意形成を重視するという「ソフト型」のどちらのスタイルで臨んでも不満が残ることが多い。
ハード型はいかにも結果として双方に不満が残りそうという意味で欠点が明白なのに対して、ソフト型は一見相手との友好関係を築けるのでよさそうにも見えるが、合意することを重視するあまり一方的に譲歩させられ、長期的に見て賢明とは言えない合意に落ち着いてしまうというリスクがある。
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