社会的抑制(Socialinhibition)
一人でするときよりも、観察者や共行動者がいる場合のほうが、個人の作業効率が悪くなること。難しい課題などで特によく観察される。なお、単純な課題などでは、逆にパフォーマンスが向上することがあるが、これは社会的促進と呼ばれる。
社会的抑制は、課題に対し興味が持てない場合や、重要性が認識されない場合にも見られる。
社会的抑制が起こるメカニズムとしては、自分の行動や発言が周りから否定されるのではないかという恐れを抱くことが挙げられる。特にスキルレベルの低い人間にとってその傾向が強くなる。その結果、彼らは、何かを議論するように指示されても、難しいテーマは避け、簡単な話題ばかりをしがちになる。
社会的抑制の結果、本来なされるべき行動が起こされない可能性も生まれる。たとえば、事業撤退に関する議論などは、ただでさえ避けたいテーマであることに加え、難しい問題であることから社会的抑制が働きやすい。その結果、誰も話したがらないということになりがちである。
あるいは、誰かが暴漢に襲われているのに助けないという行為は、社会的抑制に社会的手抜きが重なった結果といえる。
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