立場固定(Irrationalescalationofcommitment)
最初にとった行動方針が、環境等の変化によって合理性を失っているにもかかわらず、十分に吟味せずそのままの方針を踏襲してしまうこと。
なお、「立場固定」は、自分の組織上の役職や責任範囲(「立場」)から想定される言動、判断に縛られて客観的な認知、判断ができなくなることを指すこともあるが、ここではより広く、自分がそれまで行動、思考してきた態度、意見にとらわれてしまうといった意味で用いている。
立場固定が強固になると、最初の決断をなんとか正当化しようとして、本来選ぶべきではない選択肢を選んでしまい、その結果、望ましくない結果を招いたり、深みにはまりこんでしまったりすることもよくある。これは個人以上に、組織において、その傾向がより強くなりがちであると言われる。
典型例として挙げられるものに、「止められない公共事業」がある。いったん決まった公共事業は、時代の変遷によりその必要性が低下しても、なかなか簡単には止めることができないものだ。たとえば農業を取り巻く環境は激変したのに、農地の開発だけは数十年前に立てられた計画にのっとって行うこととされている、といった類のケースである。
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