キャンペーン終了まで

割引情報をチェック!

MBA経営辞書「ストローマン」

投稿日:2011/08/29更新日:2019/04/09

ストローマン(strawman)

相手の意見を正しく引用せず、捻じ曲げて引用し、それに反論するという論法。日本語で「藁人形論法」ということもある。しばしば、「とんでもないことを言い出すやつだ」といったように、相手を強く攻撃する際に用いられる。

ストローマンは、論点のすり替えの一種でもある。つまり、相手が問題にもしていない論点をでっち上げ、それに対して攻撃するのである。

ストローマンにはいくつかのバリエーションがある。典型的なのは以下のようなものだ。

・形式論理学的に誤り1
「男たるもの、家族の人生に責任を持たなくては」
「じゃあ、君は、女性は家族の人生に責任を持たなくてもいいと言うのだな」

・形式論理学的に誤り2
「男たるもの、家族の人生に責任を持たなくては」
「家族の人生に責任を持っている女性の立場をどう考えているんだ」

・文脈から切り離して一部を引用
(……ですのでデフレ下においては、株主の視点からも)「企業がキャッシュを株主に即還元しない方が良いというケースもありうるわけです」
「株主の利益を無視するというのだな」

・文脈から切り離して一部を意図的に誤用
(新卒採用を抑制するような、しかも、仕事のできない人間すら庇うような)
「正社員の『過剰』保護には反対だ」
「正社員の雇用に手をつけるべきなんて、経営者の責任を果たさないのか」

ストローマンは、しばしば、聞き手の情動に訴えかける形をとる。少なくとも、直接対話しているシーンでは、相手がストローマン的な引用をしたときには、すぐさま指摘することが必要である。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

サブスクリプション

学ぶ習慣が、
あなたを強くする

スキマ時間を使った動画学習で、効率的に仕事スキルをアップデート。

17,800本以上の
ビジネス動画が見放題

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

利用者の97%以上から
好評価をいただきました

スマホを眺める5分
学びの時間に。

まずは7日間無料
体験してみよう!!

7日間の無料体験へ もっと詳細を見る

※ 期間内に自動更新を停止いただければ
料金は一切かかりません

新着記事

新着動画コース

10分以内の動画コース

再生回数の多い動画コース

コメントの多い動画コース