確証バイアス(Confirmationbias)
いったん、ある思い込みがあると、それを支持するような情報ばかりが目につき、ますます当初の思い込みを強化してしまうというバイアス。確証バイアスは、人間には、自分の考えを変えたくない傾向がある証左とも言える。
確証バイアスの中でも、最も多くの人間にとってありがちで、かつ注意が必要なのは、「カテゴリーに対するレッテル貼り」、つまりステレオタイピングである。普段意識しない(したくない)かもしれないが、ほとんどの人間は、「△△国民は・・・」「これだから○○世代は・・・」「やはり男性(女性)は・・・」「文系(理系)の人間って・・・」というステレオタイピングを大なり小なり持っている。こうした考え方は、ある意味で意思決定などを加速することもあるが、往々にして意思決定の質を落としてしまう可能性がある。
通常、いったんあるステレオタイピングが生まれると、そのステレオタイプを強化する情報にばかり目が行き、その逆の情報は軽く見るようになる。たとえば、ある大学の出身者に何かしらの屈折した感情がある人であれば、もしその大学出身者が何かステレオタイプに適った行動をとれば「やはり○○大学出身者は…」となるし、その逆の行動はほとんど目に入らない可能性が高くなる。仮に目に入ったとしても、意識的/無意識的にその情報を軽く見ようとするのが一般的だ。
確証バイアスがビジネスで大きな意味を持つ別のシーンとしては、成功に対する思い込みがある。ある新規事業などで、「これは絶対にうまくいく!」と思い込んでしまうと、ゴーサインを得るために都合のいい情報ばかりを集めてしまうのである。
バランスの良い視点が求められる。
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。