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MBA経営辞書「コンフリクト」

投稿日:2011/01/31更新日:2019/04/09

コンフリクト(conflict)

相反する意見、態度、要求などが存在し、互いに譲らずに緊張状態が生じること。対立、軋轢。

いかなる組織においてもコンフリクトは避けられないが、コンフリクトにはマイナス面だけでなく、プラス面もある。プラス面としては、互いに競い合うことで意欲が高まる、相互の意見交換の過程で相手への理解が深まる、その過程において自己の考えを明確にして当初のアイデアを発展させたり、新たな視点や本質的な問題が発見できることが挙げられる。マイナス面は、不快感を味わう、非効率なコミュニケーションが増える、情報が正しく伝達されず意思決定に歪みが生じる、などがある。

ハーバード・ビジネススクールのジェームズ・ウェアとルイス・バーンズは、個人間のコンフリクトに対処するには、まず状況をよく理解し、状況そのものを変えるか、当事者の態度や対応を変える必要があるとしている。その具体的な方法として、交渉、制御、(建設的)対峙を挙げている。また、コンフリクトを理解するための視点として、現象面から本質的問題の把握までを以下の4点にまとめている。

(1)コンフリクトが個人および組織に及ぼしている効果
コンフリクトにはプラスの効果もマイナスの効果もある。対策を打つ前に、どちらの効果がより強く表れているかを分析する。

(2)コンフリクトのパターン
コンフリクトの最初のきっかけとなる行動に対して、どのような対応を示し、そこからどのようにコンフリクトが深まったのかというパターンをつかむ。これにより、コンフリクトの根本原因と対処の糸口が見えてくることが多い。

(3)実質的問題と感情的問題
コンフリクトは多くの場合、実質的問題と感情的問題という2つの異なる問題から生じる。実質的問題とは、経営方針や実行手順、役割と責任といった事業運営上の意見の食い違いによるものだ。一方、感情的問題とは、当事者が互いに相手に抱いている個人的な認識や感情によるものだ。組織では感情的問題を表に出しにくいため、しばしば実質的問題にすりかえられることがある。逆に、最初は実質的問題であったのに、対立点が個人的感情に由来するのではないかと当事者が疑い始め、感情的問題に転換して解決が難しくなる場合もある。

(4)コンフリクトの根底にある要因
コンフリクトが生じる要因として、外部要因と個人的要因が考えられる。外部要因は時間的制約、予算制約、資源配分、業績へのプレッシャーなど、個人的要因は対抗意識、相性、仕事上のスタイル、ストレスの許容度などだ。通常、コンフリクトの原因は複数存在し、それらが複雑に絡み合っていることが多い。対立が深まるにつれ、最初の原因とは関係ないものが原因となることもある。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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