EBITDAマルチプル(EarningsBeforeInterest,Tax,Depreciation&AmortizationMultiple)
投資評価を行う際に、事業最終年度の残存価値を求める方法の1つ。EBITDA(金利・税金・償却前利益)の何倍の価値があるかを指標とする。EBITDA倍率ともいう。
この評価方法は、EBITDAの何倍でM&Aにおける買収価格が成立しているか、あるいは、EBITDAの何倍で株価が成立しているか、というアプローチである。例えば、食品業界のM&Aは、世界的に見てEBITDAの9倍程度で買収価格が成立しているという相場がある。そうすると、食品事業については、プロジェクトを売却するとしたらEBITDAの9倍で売れると想定できるので、残存価値をEBITDAの9倍と設定するのである。
EBITDAが使われるのは、会計上の利益よりもキャッシュフローに近い概念なので、企業価値との連動性が高いと考えられたためである。ただし、倍率として必ずEBITDAを使わなければならないということではない。売上高が事業価値の相場をもっともよく表しているという場合(ベンチャー企業など)には、売上高を使った倍数を使うこともある。
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