修正内部収益率法(MIRR法)(ModifiedInternalRateofReturnMethod(MIRRMethod))
プロジェクトから得られるキャッシュフローをより現実的な利率で再投資することを前提として、内部収益率を求める方法。
IRR(内部収益率)は、投資評価の手法として分かりやすい方法ではあるが、キャッシュフローをIRRの値で再投資することを前提としている点が1つの欠点とされている。
たとえば、あるプロジェクトでは、プロジェクト期間中、毎年1000万円のキャッシュフローがあり、IRRが15%と計算されたとする。しかし、実際にこのIRRを達成するためには、毎年の1000万円をプロジェクト期間中年率15%で運用し続けなければならない。だが、実際にはこの1000万円を年率3%程度の預金に入れてしまうこともあるだろうし、反対にもっとハイリスク・ハイリターンのプロジェクトに投資することもあるだろう。つまり、必ずしもすべてのキャッシュフローをIRRと同じ利率で再投資できるとは限らないのである。
そこでMIRR法では、毎年のキャッシュフローをより現実的な利回りで再投資するものとする。たとえば、上記プロジェクトの例では、毎年のキャッシュフローを年率7.5%で運用できるものとする。そうして各年のキャッシュフローが、プロジェクト最終年にどれだけの価値となるかを求め、これを足し込み、ターミナルバリュー(TV)を求める。
その上で、
PVコスト=TV/(1+MIRR)nとなるMIRRを計算するのである。
PV(ProjectValue)コスト:プロジェクトにかかる投資額の現在価値
TV(TerminalValue):プロジェクトから得られるすべてのキャッシュフローの最終的な価値の合計額
n:プロジェクトの年数
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