システム思考(systemsthinking)
独立した事象に目を奪われずに、各要素間の相互依存性、相互関連性に着目し、全体像とその動きをとらえる思考方法。システム思考においては、ループ図や時系列のパターングラフなどが利用される。
アメリカの経営学者P・センゲは、適応し変化する能力を継続的に開発している組織を「学習する組織」と名づけ、その実現のために必要な要素「5つのディシプリン」(構成技術)を挙げた。すなわち、(1)システム思考、(2)自己実現と自己研鑽、(3)メンタル・モデルの克服、(4)共有ビジョンの構築、(5)チーム学習の5つである。
例えば、米ソ冷戦においては「アメリカが軍備増強」すると、「脅威が増すため、ソ連も軍備増強」し、さらに「脅威が増して、アメリカも軍備増強」するという状況だった。それぞれの立場では合理かもしれないが、システム全体でみると合理的ではない。このような、いたちごっこを食い止めるためにも、高い視点に基づいて全体像を捉えるシステム思考が求められる。