デザイン(Design)
メッセージをより印象深く伝えるために装飾すること。
メッセージやコピーは、そのままストレートに伝達するだけでは、受け手に興味を持ってもらえる広告表現とはならない場合が多い。人が1日に接触する広告の数は非常に多いので、たとえその広告に接触しても、意識して読んだり見たりしてくれる保証はない。したがって、受け手が興味を持ち、細かな内容は記憶に残らなくても直感的なイメージだけでも記憶されるように工夫する必要がある。たとえば、テレビCMであれば、タレントを用いて、楽しい、美しい、ロマンチック、格好いいといった、視聴者の感性を刺激するような工夫を行う。
デザインは、広義には、具体的な広告表現に落とし込む上でのラフな青写真を指し、それに基づいて詳細な広告づくり——印象的なキャッチ・コピーと周到な場面設定を用意し、制作会社(ビジュアル・イメージ)、カメラマン(撮影)、音楽事務所(BGM)というように、広告代理店のアート・ディレクターを筆頭としたクリエイティブ担当者の調整により1つの最終作品へと仕上げられていく——を行う。デザインはまた、狭義の意味として、紙媒体での具体的デザインを指す場合も多い。
関連する用語にトーン&マナーがある。これは、広告の受け手にどのような印象を持ってもらいたいかという表現基調を指す。社名の出し方や醸し出したい雰囲気、あるいは「これだけは避けたい」という禁忌など、細かなトーン&マナーのガイドラインを設けている企業も多い。
たとえば高級感を印象づけたい製品のCMに庶民的なキャラクターのタレントを起用したり、繊細さを売りにする製品ブランドのロゴをゴシック体のフォントで書いたりといった、メッセージとデザインがかみ合っていないコミュニケーションは、受け手の意識を混乱させてしまい、メッセージの効果的な伝達に失敗する。ターゲットに的確にメッセージを伝達する「乗り物(ビークル)」として、メディアと共にデザインの適切な選択・設定が非常に重要である。
▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。