コーポレート・ガバナンス(corporategovernance)
企業経営において、経営上の意思決定が企業の価値創造にとって有効な判断となるように管理・統制する仕組みのこと。企業統治と訳される場合が多い。
コーポレート・ガバナンスは、一部の経営者の独断や利害による経営の暴走や、組織全体での企業倫理の逸脱などを防ぐために重要である。
コーポレート・ガバナンスへの関心の高まりには、エンロン事件に代表される一部経営者や組織ぐるみの不正が背景としてあった。さらに、企業の資金調達と機関投資家の活動がグローバルに広がったことにより、経営側に強くアカウンタビリティ(説明責任)が求められるようになってきたことと、機関投資家の持ち株比率が高くなり株主としての影響力を持つようになったことも挙げられる。
日本では従来、株主よりもメインバンクが、コーポレート・ガバナンスの機能を負ってきたが、近年はコーポレート・ガバナンスのあり方も変化している。
コーポレート・ガバナンスを強化する方法としては以下のようなものがある。
・社外取締役や社外監査役を増員する
・委員会設置会社とする
・意思決定機関と業務執行機関を分離するための執行役員制度を導入する
・CEO抜きでの取締役会開催を行う
・社内での判断基準を明確化した行動規範、倫理憲章を作成し、社内に周知する
・日々の業務上での違法行為や背任行為のリスクを低減するために内部統制システムを導入する
2006年5月から東証では「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の提出を義務づけている。
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グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。