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MBA経営辞書「ブランド」

投稿日:2010/03/08更新日:2019/04/09

ブランド(Brand)

ブランドとは、顧客と企業の共通の認識であり、また、顧客に期待を促し、それに応えるものと言える。フィリップ・コトラー教授は、「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義している。

ブランドは具体的には、顧客にとっては、選択の拠り所や使用・経験の満足を高める機能を果たすほか、他の製品・サービスを探す手間や失敗のリスクを回避でき購買の効率が上がる、心理的な満足感が高まる、などの効用を持つ。企業にとっては、信頼を寄せる顧客のブランド・ロイヤリティを得て、安定的かつ長期的な収益基盤となるものであり、プレミアム価格の設定や競合に対する競争優位の構築をも可能にする。

我々は通常、ブランド・ネームやロゴ・マークなど、そのブランドを表現する記号、シンボルなどによってブランドを認識しているが、こうした要素のみならず、そのブランドから想起されるイメージや価値観など、さまざまな部分からブランドは形作られている。ブランドとは何かと問われたときに、それなりに知っているはずなのに、一言でうまく説明しにくいのは、こうした有形・無形の複合的な価値によってブランドが構築されているからである。

なお、このようなブランド価値は名称やロゴに最初から備わっているわけではない。ブランドが約束する一定の属性、便益、価値観、文化、歴史、パーソナリティ、ユーザー像が周囲に理解・評価されてはじめて価値が生まれる。そして、ブランド価値を正しく理解してもらうためには、企業の長期にわたる地道なブランド構築活動が欠かせない。

次回は「ブランド・エクイティ」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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