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MBA経営辞書「資本コスト」

投稿日:2010/01/25更新日:2019/04/09

資本コスト(Costofcapital)

投資家が企業に期待する利回り。企業から見た場合、調達した資本のコストと言える。

一般に投資家は企業に対して、(1)社債の購入、(2)株式への投資という2つの方法により資金を提供する。社債の購入という方法で企業に資金を貸し付ける場合、投資家は企業が行っているビジネスのリスクを見ることにより、そのリスクに応じた利息rD(負債コスト)を要求する。

一方、株式に投資する場合は、ビジネス上のリスク=リターンなどを勘案して利回り(配当と値上がり益の合計)を期待する。この利回りのことを株主期待利回り(株主要求利回り)rE、あるいは株主資本コスト呼ぶ。

一般に、株式のほうが社債よりもリスクが高い。社債は毎年決められた額の利息が支払われるが、株式の場合は必ずしもそうならない。株式では儲かることも損することもあり、利回りは不安定だ。また、その企業が倒産した場合、社債の一部は返還される可能性があるが、株式はただの紙切れになってしまう。このため、当然ながら株主期待利回り(株主資本コスト)のほうが利息(負債コスト)よりも大きくなる(rD<rE)。

企業は毎年債権者に対してrDの利回りを返さなければ倒産につながる。一方、株主の期待に反してrEの利回りを達成できなければ、株主総会などで厳しく追及され、最悪の場合経営陣は解任されてしまう。つまり、企業は資本コストを上回るリターンを上げ、債権者と株主の両者を満足させなければならないのだ。

次回は「WACC(加重平均資本コスト)」を取り上げます。

▼「MBA経営辞書」とは
グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。

  • 嶋田 毅

    グロービス経営大学院 教員/グロービス 出版局長

    東京大学理学部卒、同大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。累計150万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」の著者、プロデューサーも務める。著書に『グロービスMBAビジネス・ライティング』『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス思考法45』『グロービスMBAキーワード 図解 基本フレームワーク50』『ビジネス仮説力の磨き方』(以上ダイヤモンド社)、『MBA 100の基本』(東洋経済新報社)、『[実況]ロジカルシンキング教室』『[実況』アカウンティング教室』『競争優位としての経営理念』(以上PHP研究所)、『ロジカルシンキングの落とし穴』『バイアス』『KSFとは』(以上グロービス電子出版)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBAマネジメント・ブックⅡ』『MBA定量分析と意思決定』『グロービスMBAビジネスプラン』『ストーリーで学ぶマーケティング戦略の基本』(以上ダイヤモンド社)など。その他にも多数の単著、共著書、共訳書がある。
    グロービス経営大学院や企業研修において経営戦略、マーケティング、事業革新、管理会計、自社課題(アクションラーニング)などの講師を務める。グロービスのナレッジライブラリ「GLOBIS知見録」に定期的にコラムを連載するとともに、さまざまなテーマで講演なども行っている。

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