CLO
ChiefLearningOfficerの略。日本では「最高人材・組織開発責任者」と訳されることが多い。
最近、経営における人材育成の重要性に着目し設置する企業も見られるようになってきた。
環境変化に適応し、持続的に時代が求める価値を創出し成長を遂げることが、各企業共通の経営課題である。環境変化に適応するためには企業組織自らが、より良い方向に変わらねばならない。“変わる”とは新しい考えや行動を学習すること(Learning)であり、即ち学習は企業組織が成長するうえで不可欠な営みと言える。
こうした学習する組織を作りあげるカギは、自律した多くの個、良い相互作用を生み出す個と個の関係性、それを促す仕組みである。これを現実の施策展開に落とし込み具現化するのが、人材・組織開発責任者としてのCLOの役割となる。
なお、米国型コーポレートガバナンスでは、企業の所有と経営(執行)を切り分け、所有者(株主)を代理する取締役会が、業務執行を行う執行役員を任命・監督するという形態となっている。CLOのような“CXO”という役職名は、所有・執行の役割境界をそれほど明確にしていない会長(Chairman)や社長(President)とは異なる概念のものである。しかし、実際には会長がCEOを、社長がCOOを兼ねることが多く、特に近年になってから、執行役員制度を導入する企業が増えてきた日本においては、このような兼任をする傾向が見られる。CLOのように“CXO”と称される執行役として他に、「CEO(ChiefExecutiveOfficer、最高経営責任者)」「COO(ChiefOperatingOfficer、最高執行責任者)」「CFO(ChiefFinancialOfficer、最高財務責任者)」、類似語に「CHO、最高人事責任者」などがある。
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グロービスの講師ならびにMBA卒業生など、幅広い分野から知を結集して執筆された、約700語の経営用語を擁する辞書サイト。意味の解説にとどまらず概念図や具体例も提示し、マーケティング、ファイナンスなどの分野別に索引できる。今後、検索機能ほかサイト機能の追加を行う一方、掲載用語を1000語程度まで拡充した上でサイト上でのご意見の収集ならびに監修の実施を通じた更なる精緻化を図り、グロービス編著のベストセラー書籍『MBAシリーズ』と併読いただける書籍として出版を予定している。